読まれるにはどうしたものか? ポジティブ編
前回のネガティブ編にて、小説を読んで貰うには、読む人の自発的な動機が必要だと言う考えに至りました。
幸か不幸か(?)私は小説を読み始めるまでの腰が重く、それ故に「どう言う時に他人の作品を読もうと思ったのか」と言う考察がやりやすい体質でもあります。
しかし、あくまでも私自身はネットの小説投稿サイトにまつわる情勢には疎く、あまり現状に即したものでは無いかも知れない、と言う予防線は先に張っておきます。
人気作になりたい、だとか、とにかくハートやレビューなどの“数”が欲しい方には恐らく役に立ちません。
●そもそもインプット期間とアウトプット期間がある
私は「書く期間と思った時には読まない」「読む期間と思った時には書かない」と言う習性を持っています。
この創作論については、インプット期間であっても書けるようなのですが……やはり更新ペースは落ちます。
近頃は小説よりもエッセイや創作論に目を向けるようになった為、インプット期間だと思ったタイミングであちこちお邪魔させて頂いています。
どういう時にインプット期間に入るかと言うのは結構曖昧なのですが、最近は創作論がネタ切れ気味になったり、方針を変えてみたくなったタイミングでしょうか。元々、無秩序に書いているので、方針があるのか怪しいかも知れませんが。
他にも、こうしたインプット・アウトプットをきっちり分けている方は居られるのかも知れません。
私のように週単位や月単位と言った気の長いものではなく、一日の時間帯で分けている方が居るのは聞いた事があります(日中は書き、夕方は読書)
そうでなくとも身体は一つしかないので、誰しも書くか読むかは、一度にどちらかしか出来ません。
●頂いたコメントが面白かったor感銘を受けた
先に断っておきますが、これは読み合い等に見られる返報性とは似て非なるものです。
作品にコメントを頂くと言う事は、その話題に関して確実に自分が“当事者”となるわけで、やはりやり取りや、それに伴う考察にも強い実感が出ます。(こう言うとお堅過ぎな表現ではありますが)
コメントの面白さは、結果、書いてくれた方の筆力も教えてくれるため「この人はどんなものを書いているのか?」と自然な興味が持てます。
また、前回のネガティブ編にて全否定した「僕の作品もよろしければ!」パターンですが、これは恐らくアプローチのしかたが悪いのであって「僕はこんなのを書いています」と言うコメントの結果、よほど中身が気になれば読みに行く事はあります。
しかしこれも誤解しないで頂きたいのですが、結局このパターンで読みに行く時は、書いた人から「誘導しよう」と言う打算を感じない場合のみでした。
(あくまでも、その感想を書くにあたり、必然性があって引用されていたようなケースで、興味を引かれる事が多かったかと)
●エッセイや創作論から入る
先の「コメントが面白かった」きっかけから、その人がエッセイや創作論を書いていると、そこから入る事が多いです。
やはり「設定を一からお勉強」せねばならない小説を読むより、日記やエッセイの方がハードルは遥かに低いかと思われます。
そんな中で、これも創作論を書くにあたり必然性があって引用された作品に興味をひかれる事はたまにあります。
恐らくですが、どういう作品を書いたのかと言う事を1から10まで説明しているようなものより、断片的な情報や、極端な話タイトル名が刺さった場合、気になって読みに行く感じがします。
以前取り上げた「大相撲殺人事件」に例えるとわかりやすいかも知れません。
どこか一文に「立ち会いの瞬間、爆死する力士」とだけ、ぽつりと書いてあると、その前後に何があったのか気になるものです。
ちなみに私も、サイコブラックなどの自作を引き合いに出して説明する事が多かったのですが、そこから作品に流れてきたケースは、今の所ほとんどありません。
いずれかの作品を読了まで頂くきっかけになれば勿論嬉しいのですが、それ狙いで積極的に文章を考える気は無いからでしょう。
この創作論の目的はあくまでも、私個人が日課を持つ為にあります。
●自主企画で探す
個人的な見解として、自主企画から感じるメリットは「細かい内容を指定して作品を探せる」事にあります。
例えば「異世界ファンタジー求む!」と言うような大分類を探すのには使いません。カテゴリやタグで探せるので。
具体的に自主企画を使った例と言うと、ブラック職場脱出マニュアルを書いていた時に、他にも似た経験をした人のエッセイを読みたかった時。
また、サイコブラックを手直しするにあたり、他の人がどんな“サイコパス”を書いているのか気になった時、
それとつい先ほど、これは私が参加する側になりましたが「毒をテーマにした作品(異世界ファンタジー除く)」と言う企画があったので毒食グルメを入れさせて貰いました。
ピンポイントで探し求めているテーマがあったり、既存のジャンルに収まらないニッチなものを探すには良いと思われます。
ただこれも「感想の欲しい作品がたまたま需要に合致している必要がある」ため、限定的なシチュエーションではあります。
●余談
私が人の作品を読む時、と言う話題からは外れるので余談としますが、面白いケースがひとつあります。
前回のネガティブ編で、私の自費出版したい作品をスルーしたダヴィンチコード男なのですが、別の友人宅で飲み会をしていた時、たまたまそこの家主に見せる為に印刷していた別の作品(どこにも公開する予定がない実験作)を、ノリノリで読んでいた事がありました。
文庫本一冊程度の尺だったこともあるかもしれませんが、これも「自発的な興味が読まれる絶対条件」である事を示していると思います。
あっ、ちなみに私はこのダヴィンチコード男と違って、身近な誰かが自費出版のために動いているとするなら、しっかり読んで、可能な限り作品について語り合うと思います。
それほど勝負を賭けるに足る作品だと言うのなら、それ自体に興味が引かれるので。
ただこれも、私がたまたま小説を書く側の人間であるから思う事なのでしょう。
さしあたり、こんな所でしょうか。
やはり、読まれない状況を意図的に打破する手立てを、私は知らないと言う事を露呈しただけのような気もしますが。
だから、結果的にポジティブかは保障出来なかったのです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます