腐女子大学入試過去問を解く

 知人からこんな問題を頂きました。

「腐女子大学入試過去問」

http://nijimen.net/topics/182581

 

 設問の詳細はリンク先を参照頂くとして、

 Bさん(世話焼き)→Aさん(世話焼かれ)→Cさん(ちょいワル)→Bさん……(以下ループ)と言う一方通行の片思い三角関係からスタートし、誰と誰がくっつくべきかと言う問いです。

 個人的には、ここまで自由度の低い状態から始まるのが苦手なのですが、そう言うと話が終わってしまうので、まずは自分の心のままに考えてみました。

 ……やはり、心情的にはAとB(昔から世話を焼き・焼かれていた)でしょうか。

 Bの献身が果たしてどんなものか情報が少ないし、そもそもそこを勝手に作ったらAとBをくっつけるための恣意的な設定が好きに作れるようになり、設問の趣旨から外れると思います。

 とりあえずここからして難しいのですが、AがBの事を本気で鬱陶しいと自覚していないうちは無下にするべきではない。

 無論、献身ばかりが恋愛の正解ではありませんが、まずはその献身がどういう位置にあるのか、じっくり考えるべきかと思います。

 同様の理由で、AがCに惹かれている理由も一過性で刹那的なものかも知れません。

 こちらも熟慮がいりそうで、簡単に交際するのは早計と思います。

 とは理屈で考えたものの、やはり第一には「頑張っているBに報われて欲しい。そしてAにはどういう形であれちゃんと向き合って欲しい」と言う考えですね。

 反面、小説として書きたいのはBC(Aの世話を焼いていた人とBに片思いの人)ではあります。

 Cの願望だけそのまま叶えられている点は今一つですが、Bの心境の変化をどう描くかが面白そうです。

 もっとも、小説を書く人なら他にも同じことを考えている人が相当居そうなので……変化球のつもりで選んだはずが、実は相対的に直球だったと言う事もなきにしもあらずでしょうか。

(※後で解答率を見たら、やはりBCもしくはCBが多数派でした。そう言えば受・攻の概念がある事を忘れていました)

 

 この問題を持ってきた知人的にはAC(世話焼きに辟易したAがワルっぽいCに片思い)が正解だそうです。

 

知人「色々あって、まずBが好きでもないのにCと肉体関係になる」

私「そんな事したら一発で人間関係終わるのでは」

知人「むしろ、その事がバネになりAとCが本当の気持ちに気付いて急接近する。

 そして全てが空回り、孤独になったBのもとへ実は前々から彼を想っていたDが現れ」

私「ちょっと待った、登場人物増えてる!?」

知人「だって、そのままではBが可哀想でしょう」

私「アッ、ハイ」

 小説書かない筈の知人の方が私よりも瞬発力あるな、と思いました。

 しかし、なるほど確かに、セオリーに縛られてBが置いてけぼりを食らった場合の後味の悪さについて考えていませんでした。

 そんな可哀想な光景を見せられ、想定した読者がどう感じるか。

 物語に禁じ手は無い。

 そう胆に銘じてきたはずが、まだまだ頭が固かったようです。

 やはり、普段書かない人との話は気付きがあって、実り多いな。

 ……と思いながら今一度、ルールを確認すると、

>新キャラを登場させない

 やっぱり人物増やしちゃダメじゃないか!

 何事も、レギュレーションはちゃんと読みましょう、と言う教訓でした。

 

 

 

 ちなみに、公式な正解はAC(もしくはCA)だそうです。

 禁止事項には「嫌いと言うのは好きと言う意味ではない」とあり、

>AはBをお節介だと思っており

>BはCが嫌い

>よってACしか成立し得ない

>文章をちゃんと読め!!!!!

 との事。

 国語で赤点とレギュレーション違反。二人揃って浪人コースのようです。

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