小説が助けになった話 プレゼン発表

 プレゼンを行う機会があるかは、学校や仕事にもよりますが……私は学生時代・職業訓練校の実習と前職のQC活動にて、何度か発表者となる機会がありました。

 自分で言うのも厚かましいのですが、そのいずれも好評でした。

 これは私の資質と言うより、たまたま小説書きをやっていた事がプラスに作用したのだと思います。

 

 小説を書く事とプレゼンのスライドショー作り・発表の技術は、非常に似ています。

 極力少ない言葉(文字)で、伝えるべき事を簡潔に伝える。

 限られた尺(時間)の中で何を、どんなタイミングで、どれくらいの割合で伝えるべきかの判断。

 インパクトを与える為、突飛な画像素材を使ってみるなどの、印象づけ。

 前のスライドで伏線を張っておき、後のスライドで回収する。

 などなど。

 当日の発表に関しても、すべての文言を暗記するのは無理があるので、各スライドの要点だけを覚えて、実際に発する言葉はその瞬間に考える。

 私が知る限りでは大半の方がカンペを使い、用意した文章を忠実に読み上げていたのですが、そのやり方では、どうしても冗長になるものです。

 

 例えば、訓練校の時は課題として「選挙に行く事の重要性」と言うテーマが出されたのですが、

 その中で私は、自分で情報を取捨選択することも大事である事を主張しました。

 そして序盤のスライドで「世の中の誤情報や、印象操作の割合」と言うグラフを表示。

 次に、偏向報道などの実例を軽く挙げ、前に出したグラフの事を忘れられるか忘れられないかのタイミングで、

「実は、さっき私が出したグラフもデタラメでした」とネタばらし。

 印象操作の恐ろしさを体感的に描写出来たかな? と思っています。

 

 発表が、小説で言う「読んで貰う」事に相当するならば、プレゼンは自分の文章がどの程度読みやすいか、を間接的に知る良い機会かも知れません。

 また、プレゼンの場合は発表者も聴衆も、ある種、義務で参加しているので、満遍ない層の反応も見られるかと思います。

 

 小説を書いた経験が他の役に立つ。

 経験が小説の役に立つ。

 少しでも探してみたい所です。

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