作品のイメージカラー

 このカクヨムでは作品ごとにイメージカラーを設定できますが、かなり良い機能だと思っています。

 以前、色付きの小瓶を選ぶ事で診断する“カラーセラピー”と言うものを受けた事がありますが、色の選定にもその人の深層心理が出るそうです。

 作品の内容次第ではっきりと色が決まる事もあれば、何となくフワッとした感覚で決める事もあるでしょう。

 また、並べて見比べれば、自作の傾向に偏りがあるかも知れない事を確認出来そうです。

 とりあえず自分のそれを挙げてみると、以下のような結果に。

 

 青紫・黒・濃いグレー・緑・茶色・紫・薄いグレー・赤・紫・青

 

 やはり、寒色系に偏っている気がします。思いのほか、紫ばかり使っています。

 数少ない赤色も、小説ではなくエッセイです。

 ジャンルに縛られず色んな作品を書ける事を理想としているので、この結果には一考が必要かも知れません。

 青っぽい作品を好んで書いてきたのは、正直確認する前に予測はしていましたが……良い青を書くために、赤や黄色をもっと知りたいとも思います。

 まあ、私にはそれこそ色彩感覚による心理だとかの専門知識はありませんが……一応軽く調べた感じでは、

 青は抑制と信頼・緑はバランスと癒し・黒は力強さと高級感と威圧感・赤はエネルギーと警戒・紫はスピリチュアルと優雅さ・黄色はアピールや左脳的知性の刺激、子供のような欲求。

 だそうです。

 足りないものを求めているとか、作品に対する漠然とした希望だとかの現れなのでしょうか。

 

 さて、まず狙ってチョイスした例を見てみましょう。

 サイコブラック(黒)とサイコシルバー(濃いグレー)は単純にヒーローのカラーリングから。

 毒食グルメ(紫)は、毒の安直なイメージから。

 自己愛性こども拐い(薄いグレー=白背景に対して一番見辛いと思われる色)は、犯人の、他人に対する共感性の欠落と虚飾で成り立つ“自己”を表現しています。

 またエッセイであるブラック職場脱出マニュアル(赤色)は、人命に関わる事柄を読む人に訴えるための、まさしく警告色です。

 余談ですが、かつて自主企画でブラック職場体験談を募集した所、ものの見事に黒一色でした。

 これらは自覚があってのチョイスであるため、作風の偏りに対する参考にはなりそうですが、直感的な心理はあまり反映されていません。

 と言うわけで、明確な狙いがなく、直感的にチョイスした例を見てみます。

 まずは覚醒す(緑)。バランスと癒し、と言うにはあまりにも遠いストーリーではありますが、当時を思い返すと「いじめられても人を決して悪く言わない主人公=穏やかな人格」と言うコンセプトから来ていたと思います。

 この作品こそ赤色にしても良かったかな? と一瞬思いましたが、ただでさえ多い「主人公が精神的にも強くなる熱さを期待して撃沈」と言う被害者が微増しそうです。

 次にこの創作論の青色。

 ある種、自由な文章を書く為の作品であるから、単純に好きな色を選んだと思います。

 また、この直前に書いていたブラック職場脱出マニュアル(赤)の反動も多分にありそうです。

 無血のヒーロー短編集(紫)については、主人公がサイコブラックの時もあればサイコシルバー、サイコクロースの時もある関係上、特定のヒーローのカラーとかぶらないよう気を付けたのは確かです。

 紫にはヒーリング効果もあるらしいので、この創作論と同じくリハビリの為に自由な文章を書こうと言う気持ちの現れかも知れません。

 その他は、ちょっと現時点では皆目見当も付きません。

 

 私の場合はまだ10作ですが、こう言う所にも自分の作風を棚卸しする材料はあるものです。

 この事があったからでもありませんが、今、何となく構想を考えている作品は黄色っぽいイメージだったりします。

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