夢からヒントを得る
昨夜、
「なんか地位の高そうな人の食事に混ぜ物をした嫌疑をかけられ、本人の部屋に直々に呼ばれたけど雑談みたいなやり取りだけで、なあなあに終わった」
と言う夢を見ました。
見ている最中は、恐らく戦々恐々な気分だったのでしょうけど、スリルがあって面白いシチュエーションだったのでは無いでしょうか。
さて「面白かった。これを小説に!」と飛び付きたくなるのがヒトの性(サガ)と言うものですが、このままではあくまでも“素材”にしかならない点には留意が必要です。
別項「実体験の使い道?」と理屈は同じですね。
先の例で言うと「何故、嫌疑をかけられたのか? 地位の高そうな人の狙われる理由とは? 結局、混入の嫌疑に触れず雑談だけで終わらせた意図とは」
ぱっと考えただけでも、これだけの問題点をきちんと作り込み、相互に作用させなければいけません。
夢と言うのは、当然の事ながら計算して立てられたプロットではありません。
無作為の発想、と言う点では拾い甲斐はありますが、過信も禁物です。
そして突飛な夢が、見ている最中面白いのは「現在進行形の実体験に近い臨場感があるから」です。
それをそのまま文字に落とし込んだだけでは、その臨場感の片鱗も再現出来ないでしょう。
実のところ、サイコブラックの原案を思い付いたきっかけも夢でした。
強盗に刃物を突きつけられ、何故か強盗の方からお金をくれた、奇妙な夢を見たところから、あの作品における「無私の正義を抱くサイコパス」と言うコンセプトがおぼろ気に浮かびました。
この夢も見ている最中はかなり怖かったのですが、そのままうわべだけをトレースした所で作品には堪えないでしょう。
強盗に金を渡された。で、そのあとは?
まあ、当然の疑問ではあります。
出来上がった作品は、実際に見た夢とは似ても似つかない代物です。
夢をトレースした先に何を書きたいか? 似たような事を何度か書いた気がしますが、全てはそこに集約されるのかも知れません。
印象深い夢を見ると言う、偶発的な出来事に任せた不安定な方法ではありますが、夢の内容をメモしておくだけでも、一作は書けるのではないでしょうか。
実際、タロットカードや無作為に単語を拾い出すやり方で着想を得ている方も居るらしいですし。
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