色んなジャンルを身に付けた方が良いかも


「小説書いてるんだ。どんなジャンル?」

 と訊かれた時に「特にジャンルは無くて云々かんぬん」などと答えてしまい、微妙な空気を作ってしまいます。

 この場合、うまい返し方とは何でしょうね。やはり「何でも書きますよ」が妥当なのでしょうか。

 それもなんだか、つれないと言えばつれない。

 

 私の場合「ファンタジーを書きたい」「SFを書きたい」と言うのが起点ではなく、

 書きたいものに対してどんな成分(ジャンル)が必要か、と言う考え方をしているので、大体単一のジャンルには限られないのです。

 サイコブラックなんかは、漠然と「強盗まがいのやり方で相手を助ける」と言うインスピレーションが浮かび、そこから膨らませて「他人に共感できない正義漢」と言うイメージからスタート、プロトタイプはヒーローに変身するわけでもない、現代ドラマでした。

 そこから、現状では絵的に映えなかったり、前に述べた“語らない恋愛”をやるチャンスとも思い、今のSF

のような現代ドラマなような恋愛もあるようなサイコサスペンスもあるような形になりました。

 「覚醒す」の場合は先に、流行りの異世界転生以外に良い切り口は無いか? と言うコンセプトがあったので自ずとファンタジー成分が多くなりました。

 それでも他作品でSFやガンアクションを書いた経験は、この作品でも役に立ったと思います。

 描写の知識だけでなく、あの世界の“魔法”と、今までの経験がうまく結び付いたからこそ、書けたことも多いと思います。

 

 さまざまなジャンルを身につける、と言うことは、単に「何でも書ける」事ばかりでは無いと思います。

 ジャンルに囚われるのでなく、ジャンルを“成分”として捉える事で応用が利いたり、その組み合わせでしか出来ない表現も可能になるのです。

 先日引き合いに出したサガフロンティアのブルー編終盤をイメージするとわかりやすいかも?

 ジャンルの排他性を無視して、本来なら同居しえないジャンルの術を組み合わせて初めて出来るコンボがあったりしました。(シャドウサーバント+超風とか)

 プレイした事の無い人は申し訳ありません、戯れ事として流してください。

 もしくは、HUNTER×HUNTERの団長が使う盗賊の極意とかも? これも読んだことの無い人には(以下略)

 あるいは幼稚な喩えかも知れませんが、機械に強い人が料理の造詣も深ければ、画期的な調理マシーンが発明出来るかも知れない。

 あるいは、和食の修行をしたあとにフレンチに転向して、和仏の良いとこどりの料理を作れるようになったり……ああ、この喩えが一番マシですね。

 

 書きたいものを書く、と言うのが、まあモチベーションを保つ上でも大事なのでしょう。

 私も、書きたくないものは一切書けない性質です。(ミステリとか)

 得意分野があるのも、勿論良いことです。

 しかし、なるだけ色んなジャンルを身に付けておくと、自分の好きなジャンルがもっと面白く書けるようになるのでは無いでしょうか。

 その為には、興味の幅を広げてみて(高校生の恋愛に興味を持つ、ダークファンタジー的な世界観に興味を持つ・何となく文献を読んでみるなど)

 それを「書きたい」に持っていくのも大事なのかも知れません。

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