読まずに書かれた感想
今回はちょっと不義理で、角が立ちそうな話を。
先日、サイコブラックの方に頂いていたレビュー二件を削除しました。
理由は、レビューの内容が作品の内容とあまりに乖離していたからです。
はっきり言います。
中身を読まずに書かれた感想だと判断したのです。
「つまらない」「クソだった」
それだけの感想であっても、基本的に頂いた感想を消す気はありません。
つまらない、クソ、と評価した方が確かに居た、と言う事実でも参考にはなりますし、それだけでは主観に過ぎないと、賢明な他の読者様は理解して下さるでしょう。
しかし、あまりにも本文と食い違ったレビューがあると、趣旨を誤解されてしまい、読んでくれるはずだった読者を無為に失ってしまう危険もあるのです。
今一度、はっきり言います。
中身を読まずに書いたレビューは、作者にはすぐにわかります。
たとえ、作者の意図からずれた感想であっても、中身をちゃんと読んだ上で誤解されている事も、作者にはわかります。
(こんな事を言っている私の作品に、感想を入れづらくなるかも知れませんが、ちゃんと読まれているかどうかはわかっているつもりです。
むしろ、誤解が生じると言う事は、書き手の意識の埒外にある情報を貰えたと言う事。「こんな見方も出来たのか!」と感謝しています)
それと私は、レビューを頂いた義理で、その相手の作品を読むことはしません。
レビューや感想をきっかけに引き付けられる事もあるにはありますが……。
もしもギブアンドテイクをお求めでしたら、私のような不義理な人間も居ると知って欲しい。
書くために相応の時間を頂いた事には本当に感謝します。
それを無下にしたことも申し訳なく思います。
しかし、善意によって実害が及べば、そうせざるを得ないのです。
サイコブラックは、変身ヒーローと言う形態を取っています。
これはヒーローを書きたかったからではなく、私の書きたかった「他人に共感できない生まれついての冷血漢が、同時に無私の正義感をも抱いていたら」と言うテーマを、視覚的に表すための装置です。
(変身しないと、絵的に地味すぎたのもありますが)
私自身、特撮ヒーローはろくに見ずに育ちました。
しかし、どうしても必要なので、一から勉強して書きました。
それで昭和のヒーローが好きな方におすすめ、と思っていただけたのは成功の証だとありがたく受け取ります。
しかし、変身ヒーローに憧れて書いた、
ましてヒーローもののパロディだと、それの主題歌付きで書かれてしまうと……と言うことです。
それと、サイコブラックには「恋愛」タグを入れてあります。
しかし私は、恋愛を想起させる言葉を一切使わずに主役二人の関係を書きました。
その結果、読んでくれた友人には「これ、恋愛要素ほんとにあるの?」と言われたくらいです。
タグだけを見て「恋愛もあるよ」と書くと、こう言うトラップに掛かります。
(この「語らない恋愛描写」を確かに感じ取って下さった方も居ます。当該のレビューとは明らかに着眼点が違う事がわかります)
当たり前ですが、私が今述べたポイントだけを直して「読まずに感想」を書いても、作者が判断する材料は随所にあります。
それを完全に擬態しきれるレビューがあったなら……もはやそれは、真面目に読んだレビューと差がない労力のものとなるでしょう。
そもそも小説とは(少なくとも私が書く作品は)フェイントの塊とも言えます。
話単位の感想ならともかく、作品全体に言及するレビューにおいては、オチまで読まないと、まず書けない筈なのです。
個々の表現をボカして、どうとでも取れるような占い師的なやり方で書いても、やっぱりバレます。
読まずに書いた感想ほど、著者に失礼なものはありません。
その上、表紙だけを見て拾ったネタでおもちゃにするなど、もってのほか。
正直「クソだった」の一言で断じる感想よりも遥かに下の所業です。
この世に「感想の数字が欲しい」人が相当数居るらしいのは、何となく感じ取っております。
しかし、そうした打算の上で、乞うてまで感想を集めている作者ばかりではない事も、ご理解頂きたいと思います。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます