「倒す」と「殺す」の違い
個人的に、戦闘などで誰かが誰かの命を奪う描写を「倒す」と表現するのが好きではありません。
きっちり「殺した」と書くことにしています。
言葉には強弱があります。
誰かを殺害した、と言う事実は、一つ一つが重くあれ、と思います。
無論、野球やボクシング、ストリートファイトなど、試合のライバルであれば「倒す」と言えば良いと思います。
先日、息子とアンパンマンを見ていた時の事です。
アンパンマンが、いつもとは違う敵によってピンチになったシーンで、バイキンマンが助けに(と言うよりアンパンマンの敵を妨害しに?)来ました。
その時の台詞が、
「アンパンマンを倒すのは俺様だ!」
でした。
他の話であれば熱い展開、と素直に言えたでしょう。
しかし私は、バイキンマンの事を「ちょっと困った奴だけど何だかんだあの世界の一員」だと思っていたので、ショックでした。
CMの合間にアンパンマンと(かなり距離はあるものの)仲良く草原で寝そべっていたのは嘘だったのか、と。
共通の敵を叩く理由がそれだと言うなら、バイキンマンはそもそも素直ではない、と好意的に受けとる事も出来ます。
しかし別の回では、今度はバイキンマンがアンパンマンを追い詰めた際の事でした。
あと一手でトドメ、と言う段階で、
「ようやくこの日が来た」
と感涙しながら言ったのです。
勝つだけなら、無力化したアンパンマンは放置し、パン工場の補給を絶ってから「ざまあみろ、俺様の勝ちだ、バイバイキーン!」と煽って帰るだけで良い。
このくだりは、明らかにアンパンマンを殺害する事を示唆していたと私は受けとりました。
まあ、私がバイキンマンに一方的な理想像を抱いていただけなのですが。
しかし、この回の話を書いた人は「倒す」の本当の意味を果たしてわかっていたのでしょうか。
そう思うのは、重箱の隅でしょうか。
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