カガリさんがレギを拾い、レギがカガリさんに拾われた。
レギを拾ったカガリさんは、レギの保護者となってお話が始まる。
保護者目線でレギを見ていたカガリさんは、やがて、レギをバディとして見るようになっていく――
魔法使いと魔物がいる世界。
その世界でカガリさんとレギは事件を解決したり魔物と戦ったりしながら、共に生活し、気持ちの距離はどんどん近づいていく。
カガリさんもレギも重い過去を持っていて、その過去を引きずり、その過去をえぐらえれる出来事があって、互いを埋め合う存在になっていくのだ。
カガリさんにとって。レギにとって。
好き、〇〇している。
〇〇は声にならない、一番大事な言葉。
ほっこりほこほこなシーンの中に、突如現れる深く黒いシーン。その闇の中、カガリさんとレギの気持ちが、見事に浮き上がってくる。
踊るような筆致で紡がれる、これはカガリさんとレギの、二人の距離の物語。
読者を引き付けて離さない文章と展開の作品だと思う。