第6話 道交法違反 その後 

 ところで、この日本では年間どれ位の交通違反が検挙されているのだろうと思い、内閣府の 交通安全白書から『交通指導取り締まりの状況』という項目を見てみた。


 すると、平成30年の資料ではあるが、すべての違反付き件数は648万2541件。

 

 1位 最高速度違反 : 147万8千281件。


 2位 一時停止違反 :  13万2千746件。 


 3位 携帯電話使用等違反 :  9万1千797件。

 

(なお、令和近年のデーターはコロナの特異な状況下であるので不採用とした)

 

 スピード違反が断トツに多い。


 僕なんかは、これ程スピード違反が多いのは、つまり最高制限速度が低すぎるんじゃないかと思ってしまう。


 交通事故の裁判を見ていても、片側2車線で直線が続く80キロ制限の高速道路で20キロ程度の速度違反はザラにあるし、追突、接触の事故は意外に多い。(但し県警によっては速度規制のないとき20キロ以内はメーター誤差として許容しているところもある)

 

 例え1割2割の3万人程は悪質ドライバーだとしても、残りの145万人という数は、道路行政、或いは十年一日のごとく変化に対応しない硬直した公安委員会、そして警察の、安全よりも検挙件数を重視する取り締まりにたいする結果的数値のように思えて仕方が無い。


 その証拠という訳では無いが、市井に住む善良な市民で、数キロメートルオーバーのスピード違反や1秒2秒足りないという一時停止違反を検挙されて「危険な行為をしてしまった。世間に申し訳ない」といって頭を下げる人を僕は見たことがない。

 皆、納得できないのだ。

 そしてやるのなら白昼誰の目にも納得できるように取り締まるべきだ。白バイもたまには隠れてばかりいないで、バイクを降りて交通安全指導をすればいい。それでこそ確信犯への抑止力にもなる。 


 姉は結局7千円の反則金で、違反点数二点を買い取った。

 時給にしたら2秒で7千円だ

 

 だが事はこれだけでは収まらないのである。

 

  それとともに、ゴールド免許が取り消されます。と書いてある自動車保険会社の記事が目立つ。


 そうなのだ。人の気配もなく、車の通りも途絶えた見通しの良い交差点で、警察官の主張に対して僅か1秒か2秒譲歩したために、反則金と違反点数の他に、自動車保険のゴールド免許割引の特典までもが消えていったのだ。


 

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