第10話 第一回中間発表!
ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ、
いや、ちょっとまってよ。この不気味な笑い声。
なんなんだってばよっ。
俺は、まだ一言も喋ってないのに、システムエラーか?
俺も混乱していたが、始まりの街の広場に集まったデスゲーム参加者たちの混乱は酷いものだった。
まあ、不気味なピエロが空に浮かんで、こんな気持ちの笑い声がずっと響いているのだから。
デスゲームが始まってから緊張した状態が続いている参加者たちは神経質になっているんだからしかたない。
相変わらず笑い声は続いてる、ってかちょっと疲れてるし。疲れたならいい加減にやめればいいのに。
そう思っていると、
咳き込んだ。そして、笑い声は止んだ。
てか、今の疲れたっぽい笑い声と咳き込み、俺が出したことになるの?
恥ずかしいんだけど。
俺は仕方がないので、咳払いをしたように口元に丸めた拳をもってくる。
そして、
「うぉっほん、えー」
あー、どうしよう。なんか校長先生っぽくなっちゃったかも。
もしかして、ここはあれ。
デスゲームの参加者の皆さんが全員集まるまでこんなに時間がかかりましたよ、みたいな話をすればいいのだろうか。
大人なら今更そんなことを言われたら違和感と不気味さでいっぱいになりそうだ。
いや、それじゃデスゲーム運営としてはまずい。
デスゲームの運営としてはある程度の神秘性が必要なのだ。
ああ、もう面倒くさい。
これはもう全部、水に流してもらうしかない。
俺は水の魔法を小声で詠唱して、文字通り広場に雨を降らせた。
オマケに、雷も。
無数の雨粒が石畳を叩く音に、空には雷鳴がとどろく。
うん、みんな唖然として黙っている。
良い感じだ。
「さて、ゲームの世界での生活が始まって十日間が経った。君たちもゲーム世界を十分に楽しんでいるところだろう。職業を決めたり、レベルを上げたり充実した剣と魔法の異世界ライフが君たちをまっている。見たこともない世界、新しい仲間との出会い、それは胸をときめくような冒険……」
やばっ、まちがえた。
つい、この世界観だと自分が作ったゲームを思い出してしまう。
これじゃあ、ただゲームを楽しんでねっていってるみたいじゃん。
なんとか話の方向を修正しなきゃ。ほんと、なんなんだよ、さっきの笑い声。
アレさえなければ、通常通りの台本がテロップのように出てきてそれを読み上げるだけの簡単なお仕事だったのに。
「……と、思っているところだろうが、これはただのゲームではない。デスゲーム。君たちのまったりロールプレイングタイムはおしまいだ。君たちのことはもちろん監視させてもらっている。そして、本人でさえみることのできないパラメーターがこの世界に存在している。
今回はそのパラメーターで特別に優秀な成績を収めた者に、運営から特別なプレゼントを与えよう」
一呼吸おいて、デスゲームの参加者たちをみまわす。
みんな緊張した面持ちで、なかにはゴクリと唾を飲み込む者までいる。
おお、いいぞ。緊迫した空気。
ちゃんと、デスゲームっぽい。
そして、俺は右手を円を描くように振りかざすと、その手のひらの上にアイテムが現れる。
水晶でできた小瓶のレアアイテムだ。通常のプレイで手に入れるのはまず不可能なドロップ率のレアものだ。
次は、同じように左手を動かす。
すると、今度は金の卵が左の手のひらの上に、ぼうっと浮かんでいる。いいなあ、この微妙な色のエフェクト。
とがりすぎなくて、すごく神秘的にみえる。やわらかな光のエフェクトをまとっているのも超レアな卵だった。ここから生まれるモンスターは、観客が予想できる最高のモンスターであることを約束しよう。
みんなが固唾をのんで見守っている。
ちょっとだけ良い気分だ。
さて、名前を読み上げるとしよう。
モニタリング室で異常値とされていた二人のプレイヤーの名前を読み上げようとした。
ん、なんか見覚えがあるような。まあ、プレイヤーネームも似たり寄ったりだから、どこかで見たことがあるのだろう。
俺は気にせず名前を読み上げた。
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