第4話図書室での先輩との会話
図書室の扉のドアノブに手をかけ、開けて中に入る。
「冬香さん。今日は遅いけど、どうしたの?デートはいいの」
椅子に腰掛け、小さく手を振っている男子が声をかけてきた。
隣の椅子に腰をおろしてからこたえる。
「絵元と話してて、遅くなってしまって......」
「そうなんだ、昼休みも一緒にいたよね」
宇海先輩に見られていた。絵元と一緒にいるところを。
慌てて弁明をする。大きく手を振りながら。
「いや......やましいことなんてなにも。誘われただけで、けっして......」
「ははっ、そんなにひっしにならなくても。冬香さん、面白い」
口もとを隠して、控えめに笑う宇海先輩。
「......笑わないで、くださいよぅー。宇海先輩、ひどいぃですってぇ」
頬を膨らませると微笑みを見せる宇海先輩。
「冬香さんは、今って何読んでるの──」
「今読んでるのは──」
「やっぱりここか。早く帰ろう、
勢いよく開け放たれた扉の音が聞こえると同時に男子の声が聞こえた。
「わかったよ、静かにね」
宇海先輩は、立ち上がり図書室を後にする。
一時間も図書室にいたらしい。
図書室の扉を閉め、帰宅した。
彼女は恋人がいるにも関わらず、告白される 闇野ゆかい @kouyann
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