とにかく、甘酸っぱい。
作者さんは「夏の日に飲む甘いサイダーをイメージした」とのことですが、読後感に感じる爽快感はまさにそれだな、と思いました。
作中の二人(嶋くんと志麻ちゃん)のような青春は送ってはいないのですが、学生時代こっそり買い食いした思い出や、突発的な思いつきで友人といつもとは違う道を通って帰ってみたりした記憶が読んでいるうちに蘇ってきて、とても懐かしい気持ちになりました。
「なんでもない思い出だけど、いま思い返してみれば大切な青春の一部だったよなあ」、と郷愁を感じさせてくれる作品です。
あとこれは余談ですし、完全に私個人の感想なのですが、作中に出てくる駄菓子のチョイスが良いなと思いました。
学生時代の懐かしさをもう一度感じるために、駄菓子特有の食感や味を、できれば真夏の日にもう一度味わいたいなあと思ったり、「あの時好きだった駄菓子、まだ販売してるかな」と、読んだ後にちょっと調べたりしちゃいました。
素晴らしい作品をありがとうございます。