第6話
一体何が起きたのか?
フェリシアは真っ赤になったまま固まってしまった。
「ど、とうしたフェリシア?」
「ふぁ!?な、何でもありません……いえ何でもありますわね。これは」
「なに?何がなんでもあるの?」
「これが本当なら全て上手く行くかもしれません」
「フェリシアちゃんと説明してくれないか?」
「物は試しです。言葉より実践で確認しましょう。あ、あの…ハルト…さん……こ、今晩…私、私を…〜〜〜だ、抱きしめて寝てくれませんか!」
「ファ!?」
夜も深かき眠り時。
何時もはフェリシアが眠るまで話をして、その可愛い寝顔を見ながら意識を落とすと王様の能面の顔が現れる。
正に天国から地獄だ。
しかし今夜は眠れそうにない。
「ほ、本当に良いのかい?」
「な、何度も聞かないで下さい!わ、私だって〜〜〜恥ずかしいんです!」
…………。
ヤバい。
マジヤバい。
可愛すぎて本気でヤバい。
こんな可愛すぎる少女に手を出さずに居られるだろうか?
いや!それ犯罪だから!
お、俺の理性よ!耐えてくれ!
「じゃ、じゃあお邪魔するね」
「ふぁ。ふぁい」
するりと布団をたくし上げると1枚の白い長シャツに身を包んだ少女が瞳を潤ませ頬を赤らめ此方を伺っている。
布団に潜り込むとフェリシアの甘い香りがした。
フェリシアが腕をのばして抱きしめ俺の胸に顔を埋める。
俺も腕を伸ばしフェリシアを抱きしめるとビクンと震えた。
俺はお腹に当たる柔らかさと胸に当たる熱い吐息に身を委ね目を瞑り深く息を吸った。
その瞬間、俺は失敗したとおもった。
フェリシアの甘い香りとフェロモンにやられて、俺の馬鹿野郎が、起っきしてしまった。
その瞬間、フェリシアがまたビクンとして俺を抱きしめる力が更に強くなった。
俺はゆっくりフェリシアの頭を摩って上げた。
心地よい肌の温かさと甘い香りに身体が溶けてしまいそうだった。
摩っているうちに俺を抱きしめる力が弱まり、すぅすぅと寝息が聞こえてきた。
その心地よい呼吸音と甘い香りに誘われて俺も意識を落とす。
ああ、こんな幸せな瞬間からまたあの能面国王見んのやだなぁ〜なんて思いながら……。
だけどその日の朝は……。
……………。
「おはようございます。ハルトさん」
夢なのに夢かと思った。
そこには頬を染めて、はにかむフェリシアの笑顔があった。
おお 勇者! しんでしまうとは なさけない…。 no.name @fk2310
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