第18話 正直とはこういうこと

二人がそんなことを話している間、ユキは水の中の魚を手で追いかけていた。最初は取るつもりもなかったのだがだんだんと白熱し、どんどんと手の振りが大きくなった。

 しかし、その手が荷物に当たってしまい斧が落ちてしまった。

「ぎゃー!!斧が泉に!!」

「なんですって!もしかして・・・」

「この展開は!」

 すると泉が黄金色に光だし、中から黄金の斧と白銀の斧を持った美しい女神が泉から現れた。

「あなたの落としたのはこの金の斧ですか?それとも銀の斧ですか?」

「はい!私はかっちょいいのでその金の斧がほしいです。」

 ユキの言葉に女神はやさしく微笑んだ。

「あなたは欲望に正直ですね。この金の斧を差し上げましょう。」

「やった!!」

 ティカはミサの袖をつかんだ。

「いいんですの?こんなんで・・・」

「このお話ですからね。」

 ミサはあたたかく微笑んだ。

こうして、お姫様たちの珍道中はめでたしめでたしに終わらず、まだまだ続くのである。


第1章  完

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

続★姫物語 粋田 椿 monger171 @gonzales55

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ