第5話 入学式!!②

初日だったため、授業は午前中のみだった。


「セイター、この後予定あるか?一緒に昼飯でも食いに行かないか?」


俺は身支度をしながら答えた。


「別にいいけど、もう一人増やしてもいいか?」


「お前、他のクラスに友達いたのか?」


「いや、なんでいない前提なんだよ……まあ、昨日知り合ったばかりだけど。」


「で、名前なんて言うんだ?そいつの名前。」


「あー、ナナミっていう子なんだけど」


するとタイガは、急に口調が変わり始めた。


「ナ、ナナミってお前、もしかしてそれは2組の……」


「──広瀬七海だけど?」


「お前……一体どういう関係なんだ?」


「なんだよいきなり、別に普通の友達だけど、」


そういうと、タイガは深呼吸を始め、一息ついた後、冷静に話しを始めた。


「実はな」……


──唾を飲み込む……


「俺は密かに、──」


「密かに?」


「学校女子全員にランクをつけているんだ!!」


「──は?」


頭おかしくなったか?


「広瀬七海、校内美女SSランク!

容姿端麗で少し天然だが、またそこが良い!」


これは、問題発言だな。


「タイガ、普通にキモイな。しかも、まだ初日だぞ?一体どうやってそんなの調べたんだよ、」


「どうやってって……普通に入学式前に北山高等学校の合格した女の子を事前に全員調べただけだって」


「いやそれ、普通じゃないし。しかも、軽く犯罪だろそれ、」


「大丈夫だって。バレなきゃ、犯罪じゃねーし。」


「それ、犯罪者が言う言葉だろ」


「そんな事より、お前広瀬さんの事どう思ってる?」


「どう思ってるって……お前の調べた結果と全く一緒だよ。よく言えば天然で、悪く言えばバカって所だな。」


「全くってことは、美人なのも認めるって事だな?」


「──いや、別に……」


「否定はしないんだな!」


「……」


──くそ、タイガのやろーニヤニヤしやがって……


「ともかく、お前が狙ってないんだったら、俺が狙うぞ?」


「勝手にすればいいだろ……」


そんな話しをしていると、タイミングを見計らったかのように噂の人が来た。


「セイタさーん!あ、発見!」


「お前、教室反対校舎だろ?わざわざこっちまで来なくても、校門の前で待ってれば良かったのに……」


「いいじゃないですか!別に暇だったんで。それより、こちらの方は?」


「あー、こいつは……」


「初めまして、広瀬さん。僕の名前は久賀大河と言います。ぜひ、タイガとお呼びください。それにしても、噂通りの美人ですね!」


なんか俺と話す時と態度変わりすぎない?


「美人ですって!セイタさん!」


「いや、俺に言われても……」


「私は、広瀬七海。ナナミでいいよ、タイガくん!」


「ありがとうございます!」


「タイガ、俺と話す時もその態度でな?」


「なんでお前なんかに、敬語使わなきゃいけないんだよ。絶対にやだね。」


「──お前、後で覚えとけよ」


「まあまあ落ち着いてください。とりあえず、セイタさんは帰りますよ!」


「あーその事なんだけど、タイガにお昼ご飯誘われてんだ。ナナミも一緒に来ないか?」


「お昼ご飯ですか、ぜひ!……でも、私も本当に混ざっっていいんですか?」


「もちろんですよ!こんな奴と2人っきりなんて、最悪ですし!」


「お前が最初に誘ったのは、俺1人だっただろうが。」


「そうだっけ?」


コイツ……


「じゃあ、お言葉に甘えて」


さっきまで帰る生徒があんなに居たのに、いつの間にか見える限り、ほとんど残っていない。結構時間経ったらしい。


「では、ナナミさん行きましょう!あ、それとついでにセイタもいくぞ、」


「もう、ついで扱いかよ……」


──と、その時。

後ろから妙な視線を感じ振り向いたが、誰もいない


「おい、何やってんだよ。置いてくぞ?」


「あ、あぁ。今行く。」


気のせいか……

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