第2話池袋の再会


数日後、池袋駅東口に来ていた、ギラギラと柄ついた街の中、はやる気持ちを抑え、数年ぶりに再会する健太に似た姿を探した。



「こんばんは、少しお時間よろしいですか?」



人混みから警察官が近づいてくるのが分かり、声をかけられた。




警察官「今ここで何されてるんですか??」




隆史「すいません、今待ち合わせをしてまして、友達を探しています!」




周囲の目がチラつく中、職務質問に身振りで手振りで事情を説明していた。



警察官は慣れた様子で隆史の持っていた荷物に目をやった。




警察官「バックの中を少し見せていただいていいですか!?最近ここら辺は物騒でね、ご協力お願いしてもよろしいですか?」



隆史はカバンを地面に慌てておろし、ジップを大きく開いた。




警察官「中身はサイフと、水筒とタオルね、何か身分証明する物見せていただいてもいいですか?」




隆史「はい、ちょっと待って下さい、あっありました!」



隆史はサイフから身分証を取り出した。




警察官「ん、これ?なめ猫の免許証じゃないですかー?本当懐かしいなー。おかしいな、お兄さん世代じゃないですよね?一体これ、どうやって手に入れたんですか?」




隆史「すいません、渡す方間違えてました、これは、実家の父の引き出しに入ってたんで。」



警察官「そうなんだ、お父さんねー、元ヤンだったのかなー?ハハ」


 


警察官は懐かしそうになめ猫の免許証をしばらく見つめていた、隆史は警察官に車の免許証を渡した。



「ちょっとチェックするので、お借りしますね。」警察官はそう言うと、腰にかけていたトランシーバーを取り出し、後ろを向いて何かをぼそぼそと話していた、




警察官「異常なしであります、ご協力ありがとうございました。」




警察官らしき男はそう言い残すと、また周囲を見渡し、人混みの中へ消えて行った。




待ち合わせ時間が過ぎてる事に気づき、携帯で待ち合わせ場所を再び確認し、浅く深呼吸をした。



「お兄さん、三千円ぽっきりで飲めますよ!」



ドスの効いた声が隆史を呼び止めた。



サングラスに、胸元の大きく開いた柄シャツを着たイカつい男が、そこには立っていた。



隆史「す、すいません、お金ならないです!」



チンピラ風の男はタック入りのズボンのポケットから手を出し、サングラスを人差し指で垂らしニヤリと笑った。




「隆ヤン久しぶり!ちょっ合流する前にサツに引っ張られるかと思ったぜ!」




チンピラ男の正体は風貌は違うが、同級生の健太だった。




隆史「うわっ健太君久しぶり!!元気してた?全然分からなかったよ。」




健太「よし!とりあえずいい所知っとるから、茶でも行こうや!?」




健太はこっちこっちと中指を動かし、我先にと人混みを風を切って歩きだした。




隆史は言われるがまま、お酒の匂いが染みついた健太の風を後ろで浴びながら歩いた。




健太「隆ヤンは全然変わってないな、その素朴なお坊ちゃんな感じもさ。」




隆史「えっそうかな?けどこれでも少しは大人になったんだよ。」




健太「昔から老けてたからな!」




二人は何気ない会話を交わし、繁華街を抜け、路地裏に入る。




ビルの一角にある「サスティナブル」とネオン看板にカタカナで書かれた、小さな喫茶店に入った。

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※YouTuber物語「グリーンライン〜大人達のスタンドバイミー」 ルノミトモシハ @runomitomosiha

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