※YouTuber物語「グリーンライン〜大人達のスタンドバイミー」

ルノミトモシハ

第1話YouTuber物語


緑と都会が交差する街並みはどこか、水彩画のように繊細な希望色に染まっていた。




流れる川に浮く、ひとひらの花びらは改札を潜り、虹浦和駅前の桜の木の下で静かに貼り付いた。




「ブィーン ブィーン」




右手のポケットの中で携帯の振動が震える、




着信を見ると登録していない番号からだ。




「あっもしもし!?」




隆史は少し遠慮気味に電話をとった、



「隆ヤン久しぶり!?元気しとる!?健太、健太!」




少しなまりのあるしゃがれた声の持ち主は、地元の同級生の健太だった。




健太「俺の事覚えとるや?急やけど今度一緒に飯でも行こうや!」




隆史は健太との急な約束に少し戸惑いながらも、数年ぶりという事もあり、せっかくだし後日池袋で会う約束を交わした。


 


健太は引っ越した先の中学で、初登校日からクラスで仲良くしてくれた同級生だった。




バスケ部のキャプテンから生徒会長まで万能にこなし、健太はとても活発的で陽気な性格から、学校中の人気者だった。




それから、数年、高校卒業と同時に、芸能事務所に健太はスカウトされ俳優を目指し地元福岡県から東京に上京した、




その後大人になって、自然と連絡は途絶えたきりだったのだが、、




隆史は、懐かしさとどこか小さな不安も感じながら、家に帰った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る