第7話不機嫌な水無瀬湖詠

三限目の授業中、ついうとうとしてしまい居眠りをしてしまう。

スパンっと音がして、頭に痛みを感じて立ち上がる。

「いってぇっ」

「退屈なの、先生の授業は?水無瀬君」

「そんなわけないですよ。美彩先生の朝のあれが......」

正直にこたえている俺の頭に容赦なく、教科書の角をぶつけてきた月羽音先生。

「いったぁっ。酷くない、美彩先生」

「放課後、一人で掃除をよろしくね。水無瀬君」

「さすがに一人はきつ......」

「自業自得でしょ、水無瀬君」

教室に笑いが起きる。

抗議もむなしく、月羽音先生は教科書を開いて、続きを読み始める。

俺は、椅子に腰をおろす。


昼休みになり、陽香と向かい合い昼食を摂る。

「不機嫌な顔してるけど、何で」

「身に覚えあるだろ、陽香。美彩先生と......」

机を叩き、思い出したように大声を出す陽香。

「っ、美彩ちゃんが悪いんだよっ!チビなんて言うから」

横を通りすぎる男子が笑いながら、教室を出ていく。

「あきないよな、陽香も」

「うるさい佐藤。好きでやってないし」

「みどーセーパイッ、今から集まるみたいですっ」

「今いくー」

教室の扉付近で呼ばれ、陽香は返事をする。

立ち上がり、駆け出していく陽香。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

頼まれると断りづらい湖詠君は引き受ける 闇野ゆかい @kouyann

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ