第6話 ケニア料理って、どんなの?ピラウとイリオ

午後4時。



学校から帰ってきて部屋へ入った瞬間、

海外から着信があったことに気づいた、

お母さんだ!

一時間くらい前にかけてきたみたいだけど、その時は学校にいたから出られない。


早速かけ直す、現地時間は朝。

一回のコールですぐに出た。



「ごめんねぇ〜、こっちはずっと停電なのと、Wi-Fiっていうの?なんか電波状態が悪くってね、連絡できなかったのよ〜」



久しぶりにお母さんの声を聴いて泣きたくなった。

現在いまは3月、最後にお母さんと連絡してからだいぶ経っていた。



「も〜、全然つながんないから心配したんだよ〜?」



声だけじゃなく顔も見せて、と言おうとしたら、



「電波の関係でテレビ電話できないから、あんたの顔見たくても見れないわ」



先に告げられてしまう。

医者でありながら機械オンチのお母さんが一生懸命連絡してくれようとしてるのが、

また嬉しかった。



「コウタくんとはうまくやってる?」



コウタさんはお母さんの従弟だ。

コウタさんの家に居候するって提案が出たとき、お父さんからメチャ反対された。



「うん、相変わらず世界の色んな国の料理作ってくれるよ」



毎日が世界の料理って訳じゃないけど、

食べたことのないような美味しい料理が出てくるのは嬉しかった、太っちゃったけど…。



「あら、いいわね。それで昨日の夕食は何だったの?」



従弟とはいえお母さんはコウタさんが色々料理を作れるのを知らなかったようで、

居候はじめたばっかのころに伝えたら、

なんか衝撃を受けていた(実はうちのお母さん、あんまり料理が得意ではないのもあったんだけど)



「あ、でもね、昨日はフツーのビーフシチューでね、作ったのはリキさんだったよ」



コウタさんがビーフシチューを作るときは赤ワイン使う本格的レシピでフランスパンと一緒出されるが、リキさん作だと日本の一般家庭で出るようなタイプでお供は白いご飯だった(ルーは使ってないみたい)



「その…、コウタくんの彼氏とかいう人ともうまくやってるの?」



お母さん、おずおず訊いてきた、

コウタさんはゲイで恋人のリキさんと同棲中だった、そんなとこ私が居候という形で割り込んだもんだから、申し訳ないと思ってるみたいだった(私もだけど…)

もしもコウタさんがゲイじゃなかったら、

いくら母親の従弟でも今回のように居候させてもらうことはなかったし、

リキさんの理解がなかったら、どうなっていたかわからない。



「うん、お邪魔虫だと思うけどね、なんか妹が欲しかったようで、優しくしてもらってるよ」



私が居候すること、最初はコウタさんに断わられていたみたい。

でも、リキさんが賛成してくれたって話。



「よろしくね!アタシずっと妹が欲しかったのよ〜」



初めて会ったときに言われたセリフがこれ…。



「そう、それは良かっ…」



ここで急にお母さんの言葉が途切れた。



「ミクル!無事なのか!?」



いきなりお父さんの怒鳴るような大声が耳に飛び込んできたので、私は思わずスマホを遠ざけた。

どうやらママのスマホをムリヤリ奪ったっぽい。



「無事だからっ!」



実はお父さんは最後までこの同居に反対だった、理由は『例え母さんの従弟だとしてもオトコじゃないか』『ゲイだから安心だと!?ミクルの教育上好ましくない』、

なに言ってんだか……。

だいたいお父さんはアタマがカタい、

これだから昭和のオトコって…。



「ヘンなことされたり・おかしなモノ見せつけられてないだろうな!?」



こんな心配するなんて、お父さんのほうがどーかしてる。



「キモっ!」



父親に向かって思わずそんな言葉が出てしまった、何考えてんだ!?



「父親に向かってキモいとはなんだぁぁぁ〜ッ!!!」



電話口で絶叫しないでもらいたい。

もうこれ以上相手にしてもムダだから切ろうとしたら、「ちょっと!返しなさいよ!」と、お母さんの声、スマホを奪い返したらしい。



「ごめんねぇ、お父さんのいないときに連絡したのに、いつのまにか現れちゃって」




前回連絡してきたときもお父さん訳わからないことわめいていた、娘が心配なの、わからなくもないけどね…。

苦笑するしかなかった。



「お互いコロナ気をつけなきゃね、とにかく!手洗いうがいは徹底しなさいね!あ、こちらは…」



…ここでプッツリと切れてしまった。


お母さんとの連絡は、毎回こんな感じで突然終わってしまう。



――やだもう、こんなタイミングで?心配、大丈夫かな?――



とりあえず、Facebookのメッセンジャーを開いてメールを送ってみる。

今までTwitterやEメールなど色んな方法で海外にいる親と連絡取ってるけど、

これが一番繋がりやすいようだった。

あちらの電波状況があまり良くないみたいでメールの返信が少ないのも、心配のタネなんだけど…。

私はため息をついて着替え、部屋を出た。



「どうした?シケた顔して」



リビングへ入るとコウタさんに声をかけられた。

ソファーに座ってノートパソコンを開いていた。

コウタさんのお仕事は輸入食材と雑貨店で、現在ネット通販が中心って話だから、

仕事していたのかもしれない。

リキさんは今日は出勤のようで、まだ帰って来ていなかった。



「実は母親と連絡が取れまして…」



うちのお母さんはコウタさんにとっても従姉にあたるから気になるみたいで、

時々気にかけてくれていた。



「おう、良かったな」



コウタさんは再びパソコンに目を向ける。



「途中で切れちゃったんです」



「ああ、またか!あっちは停電も多かったからな」



「えっ、コウタさん行ったことあるんですか!?」



「ん、ツアコン時代にな」



コウタさんはそう言ったあとパソコンを閉じ、立ち上がった。



「今日はケニア料理でもつくるかな、夕べのビーフシチューの残りに合うだろうし」




このセリフに私は少し驚いた、



「えっ、ケニア料理も作れるんですか!?」




一体コウタさんって、世界何ヵ国の料理を作れるんだろう?

まさかお家でそういうの食べられると思ってなかった。



「まあな…普通のツアコンだったらそんなん知ることもなかんだろうけど、俺が働いてた旅行会社って変わってたからな」



コウタさんはそう言ってキッチンへ向かった、私もその後に続いた。



「現地人の家庭を訪問して、そこで料理を学ぶっていうツアーが働いてたとこでやってたから、色々覚えちゃったんだよねー」



なるほど、そういうことか…。

コウタさんは丹念に手を洗って消毒をした後で冷蔵庫から玉ねぎを出した。

私も手を洗う。



「面白そうなツアーですね、人気だったのでは?」



率直な感想を伝えると、



「いや…、イマイチ集客できんかったんだな、それが」



苦笑されてしまう。

私だったら参加してみたいけどな…。

そう思ったけど、なんか言えなかった。

コウタさんが旅行会社で働いてたころって、多分私がまだ子供のときだよね?と…。



「ただいま〜」



リキさんが帰ってきた、コウタさんすかさず、



「おかえり、お疲れさまー」



玄関に向かって叫ぶ。

私も続けて「おかえりなさーい」と大声を出した。



「あいつ、着替えんのに時間かかるな…先に作り始めようか…この玉ねぎ、洗って薄くスライスしてくれるかな?」



玉ねぎを2つ渡される。



「はい」



私は玉ねぎの皮を剥いて洗った。

不器用なのか、玉ねぎの皮剥きは苦手…。

コウタさんはニンニクをガーリッククラッシャーという道具の中に入れて潰してた、

前に一度その器具を使ってニンニク潰しをやらしてもらったことあるけど、

私の握力じゃ潰すことができなかった。

コウタさんは手早くニンニクを潰すと、

今度はショウガの皮を剥いてから包丁で潰しはじめた。


私は丁寧に玉ねぎをスライスし始めたが、

目にしみてきて涙が出てきた。



「ただいま〜、今日はなにかしら?」



着替え終わってデニムのエプロンをつけたリキさんがキッチンへ入ってきた。



「おかえりなさい」



私は涙目になりながら答える。



「あらっ、今日の玉ねぎキツいわね、アタシまで目がショボショボしてきたわ!」



リキさんはそう言って細いベッコウ縁のメガネの下に指を入れて拭った。



「今日はケニア料理、今ピラウ作ろうかと思って…」



ピラウってなんですか?と訊こうとコウタさんを見ると、私たち以上に涙をダラダラ流していたのでビックリした、



「うわっ、大丈夫ですか?」



思わず声をかけてしまう。



「ああ、俺花粉症ひでーほうだから、この時期の玉ねぎはヤベーんだ」



本人玉ねぎ切っていないのに、かわいそう…。

コウタさんは手を洗って、



「ちょい失礼、目薬さしてくるわ」



ひとこと声をかけ、自分の部屋へ入って行った。



「花粉症じゃなくてもその玉ねぎヤバいよね、はい、これ」



リキさんはそう言って私にガムを手渡した。



「ありがとうございます」



なんでいきなりガムくれたんだろ?と思いつつ、受け取ってジャージのポケットにしまおうとしたら、



「今食べなきゃ意味ないわよ、ガム噛みながら玉ねぎスライスすると、少し目が痛いのマシになるから試してみて」



言われてしまった。



「へぇ、そうなんですか?知らなかったです」



初めて聞いたな…。私は包みからガムを取り出し口の中へ放り込み噛み始めた。

スーッとした清涼感が口の中いっぱい広がる。

私は玉ねぎスライスを再開した。

言われてみれば何となくさっきよりいいみたいな気がしたけどやっぱり目にくる、

がんばるしかないなぁ…と思っていたら、



「アタシも手伝うわね」



リキさんもう一個の玉ねぎを手に取り、

手際よくスライス始めた。



わりぃな」



私が玉ねぎやっとスライスし終えたころ、

コウタさんが現れた。



「も〜、遅いわよ〜、ピラウに使うスパイスわかんないから、とりあえずお米だけ洗ってるわよ」



リキさんはいつのまにか玉ねぎのスライスを終えていて、お米を出して洗っていた。



「長米種見つかんなかったから、フツーの日本米にしたわ」



コウタさんちにはお米は日本のだけでなく、外国の長いものまで置いてあるから最初はビックリした、料理によって使いわけるなんて素直にスゴいと思った。



「こないだ切らしたから日本のコメでいいよ…オレんとこの店も品切れだし」



コウタさんは時々自分が経営してる店から食材を持ってきて使うことがある。

お米使う料理ってことは、名前からしてピラフのことかな?



コウタさんはスパイスラックからいくつか取り出し、調理台の上に置いた。



「使うのは、クローブ、カルダモン、キャラウェイ」



黒いコショウ粒に棒が生えたようなものがクローブで、茶色い小さな種みたいのがキャラウェイ、黄緑色でアーモンドみたいな形していい香りするやつがカルダモンと、最近になってやっと覚えた。



「リキ、鍋出してくれる?」



リキさんは言われたとおりシンク下からフランス製の重たいホーロー鍋を出した、

こないだ何気なくその鍋の値段をネットで調べたら、何万もするからビックリした。



「ミクルちゃんは…その鍋に油を1/2カップ入れて、玉ねぎをキツネ色になるまで炒めてくれるかな?」



「はい」



私は言われたとおり、計量カップに油を注いだ。

それにしても玉ねぎ炒めるのにこんな油使うのかと、ビックリした。



「ええと、昨日のビーフシチュー…」



コウタさんはそう言いながら冷蔵庫から鍋を取り出した、昨日大量に作ったビーフシチューが余っていた。



「コレにカレー粉混ぜたら、あっという間にケニア風♪」



コウタさんは鼻歌口調でカレー粉をパパッとシチューに入れた。



「えっ、マジですか!?」



ケニア料理がそんなカンタンにできるとは思わなかった。



「レシピによってはカレー粉使わないのもあるみたいだが、俺は入れたほうが好きだね」



へぇ、知らなかった。



「ねぇ、コウタさん、アタシはどーしたらいい?」



洗い物を終えたリキさんが濡れた手をエプロンで拭きながら訊いてきた、濡れた手はキッチンタオルで拭けとコウタさんに注意されていたのを何度か見たことあるけど、無意識にやらかしてるからクセなんだろうな…。



「ジャガイモを…そうだな、4個くらい出して皮剥いて茹でてくれるかな?」



「了解」



コウタさんはシチューの味見に集中していたため、リキさんがエプロンで濡れた手を拭ったことに気づかず咎めなかった。



「もしかして、イリオつくるのかしら?」



ジャガイモの皮を剥きながらリキさんが質問を投げかける。



「正解」



コウタさんはさっきからトマトペーストやらカレー粉を次々に足しているもんだから、からくならないのか不安に感じていた。

正直私はあんまりからいのが得意じゃないけれど、コウタさんたちの料理を食べるようになってから少しずつは食べられるようにはなったいた。

けれども、あんまりにもからすぎるときついので、今日のご飯が自分にも食べられるのか不安がよぎった。



「お、だいぶいい感じに炒まってきたじゃん」



私が炒め続けてる玉ねぎはほんのりと茶色くなってきていた、ここでコウタさんはさっき潰したニンニクとショウガと塩を入れてきた。



「はい、そのまま炒め続けてね」



皮を剥き終えたリキさんは、ジャガイモを四つ割りにカットしはじめ、

茹ではじめた。



「あのう…ピラウって、ピラフのことですか?それから、イリオってどんなお料理なんですか?」



私は炒め物しながらコウタさんに質問を投げかけた。



「ピラウはピラフのことだよ、イリオはケニアのマッシュポテトだよ」



コウタさんはシチューの鍋にフタをし、

食料ストックをゴソゴソし出した。

次はどんな食材が出てくるのかな?と楽しみにしていたけれど、調理台の上に置かれたのはグリーンピースの缶詰めとコーンの缶詰めだったから、何だかガッカリした。

コーンはいいけどグリーンピースってなんかイヤ、そう思ってしまったのが顔に出ていたのか、



「今!グリーンピースやだなって思ったろ?」



コウタさんにツッコまれてしまった。



「すみません…でも、食べられなくはないです」



そう、私はグリーンピースがちょっと苦手、でも食べようと思えば食べられる…そんなレベルだった。



「安心しろ、俺もリキくんも同じだから」



コウタさん、そう言って私に笑みかけた。



「ほんっとグリーンピースの缶詰めに冷凍って、なんかイヤよねぇ、ナマだったら美味しいのに」



茹で終えたジャガイモのお湯切りをしていたリキさんが、話に入ってきた。



「えっ、グリーンピースに生ってあるんですか?」



よくよく考えたらこれはマヌケな質問だったかもしれない。

けれどもこれまでの人生グリーンピースなんて冷凍食品のミックスベジタブルに入ってるやつか、缶詰めくらいしか見かけたことなかったから、知らないのも当然だと思う。



「生のが断然うめぇし、それなら食べられるってヤツごまんといるよ?…と、ここでスパイスと米を入れるっと…」



私が炒めていた玉ねぎはだいぶクタクタになって茶色く縮んでしまった、その中へコウタさんはクローブとキャラウェイとカルダモンを入れて、さらに先程リキさんが洗った米を入れた。



「はい、炒めて〜!スパイスはテキトーな量な、だいたい俺の手のひら半分くらい。米は…これは2カップだな、お、いい感じに米炒まったね、ここで水を入れる。量はそうだな…今日は日本米だからカップ3.5な、長米種なら4カップ入れるんだが」



コウタさんは横から手早く水を入れる。

コウタさんは毎回親切にレシピを教えてくれる。

それにしても、さっきのグリーンピースは何に使うのだろう?

もしかしてこのご飯かなぁ…?

そう思っていたら、「さてと」ジャガイモをマッシュし終えたリキさんが、かけ声とともにグリーンピースの缶詰めを手に取った。



「ケニアのマッシュポテトにはね、これとトウモロコシが入るんですって」



今度はリキさんが教えてくれる。



「アタシもね、初めてコウタにケニア料理食べさせられたとき、ビックリしたのよ」



そう言いながらグリーンピースの水切りをし、次にコーンの缶詰めも開けて同じように水を切った。

次にどうするのかな?とリキさんの手さばきを眺めていた。



ここで私は大変なことに気づいた、

お米の鍋にフタしてない!

フタをしようとしたら、



「フタはしないんだ、これは」



コウタさんに止められた。

お米炊くのにフタをしないなんて、驚き!



することなくなったのでリキさんのほうを見たら、すでに作り終わっていた。



「イリオの作り方はね、マッシュポテトにグリーンピースとホールタイプのコーンを入れて、バター入れて塩コショウするだけで出来上がりよ」



リキさん、親切に教えてくれた。


私たちはお米が炊き上がるまで手が空いてしまった、時たまコウタさんが鍋をかき回すくらい…。



「ケニア料理ってことは、もしかしてお母さんと連絡取れたの?」



リキさんが首を傾げながら訊いてくる、

言葉遣いもオネエだし仕草も女の子っぽいので、時々彼がオトコだって事実を忘れてしまう。



「はい…さっき電話きました」



「あら、それは良かったわね、ただでさえケニアって治安が不安なのに、今はコロナでもっと心配よねぇ…それを医師団として参加するなんて、尊敬しちゃうわね」



うちの両親のこと尊敬するなんて言う人初めてかもしれない、途上国へ支援に行くこと自体は良いとして、未成年の高校生の娘を一人残して行くなんて…と散々両方の親戚から言われまくったから…。

コウタさんでさえ、「しかし娘がまだ成人しないうちに行っちまうもんかなぁ〜?」と、ぼやいていたから…。



「まあな、行こうったって、なかなか行けるよーなとこじゃねーしな。ナオミさんは昔から困ってる人放っておけないようなとこあったからな、それで俺もずいぶん世話んなったし」



ナオミさんとはうちの母親の名前、

そういえば従弟であるコウタさんが昔ゲイであることをカミングアウトしたらご両親から勘当されタイヘンだったところ、

うちのお母さんが庇って色々世話したことがある…って訊いたよな…。

だからこそ文句言いつつも、私が居候になることを断れなかったんだろうな。

リキさんがこころよく受け入れてくれたのが、ほんっとありがたかった。



「ところでユタカさんはどうだった?相変わらず心配してなかった?」



お父さんの話題が出てしまった。

コウタさんはお父さんが私がここに居候することをメッチャ心配しているのを知っていた。



「はい、相変わらず…」



「まぁ、しかたねーよな。いくら俺がゲイで親戚だとしても、フツーは心配するだろうね…お、できてきた!」



コウタさんはお玉で鍋をかき混ぜてから火を止めた。



できあがったご飯は、ビーフシチュー・イリオと盛りつけられ、ワンプレートで済んだ。

それぞれが自分の分をダイニングへ運び、席についた。



「いただきま〜す!」



まず、シチューとご飯を一緒に口に入れる、美味しい…。



「米が日本のだし、材料もほぼ国産だから、あんまりケニア感ないかもしれないな」



コウタさんがつぶやく。



「あら、それ言っちゃウチで作る外国料理みんなそうよ」



「そりゃそうだな」



私は次にビーフシチューとイリオを一緒に食べ、次に全部を混ぜて口に入れてみた。


すごく美味しい!


うちの両親は向こうでどんな食事をしてるのだろう?

気になってもいつも連絡が最低限だ。

コロナの影響で手紙も出せないのよ…と、お母さん言ってたな(そもそも私手紙なんて書いたことないかも)


食事と一緒に出された飲み物は、ケニアの紅茶だった。

コウタさんのお店で取り扱いしていたものの、賞味期限が近いからここで消費したいらしかった。


どんな味の紅茶かな?と思って飲んでみたけど、変わったところはなく普通に美味しいものだった。


食後は皆で協力して洗い物したり片付けたりし、一休みしてから部屋へと戻った。



ピラウ(ケニアのピラフ)


材料は米2カップ、水500cc、玉ねぎ2個、ニンニク2片、ショウガ1片、クローブ・キャラウェイ・カルダモンそれぞれ適量(コウタさんの手のひら半分位・私の手だと一杯?)、油1/2カップ、塩適量、水3.5カップ(長米種なら4カップらしい)




玉ねぎは薄くスライスして、ニンニクとショウガはつぶしておく。

玉ねぎを油1/2入れた深めの鍋で炒め、ほんのり色づいたらニンニクとショウガと塩を入れ、玉ねぎがキツネ色になるまで炒める。

洗ってよく水を切ったお米とスパイスを入れてさらに炒め、水を加えて煮込む(鍋底が焦げつかないよう、時々かきまぜる)



イリオ(ケニアのマッシュポテト)


材料は、ジャガイモ4個、コーンの缶詰め(ホールスタイル)、グリーンピースの缶詰め、バター適量(かなり入れてた)、塩コショウ


ジャガイモの皮を剥いて柔らかくなるまで煮てマッシュする。

缶詰めはそれぞれ水切りしておき、

好みの量を入れる(リキさん半分も入れてなかった気がする)、味をみながら溶かしたバターを入れ、塩コショウして完成。



(おまけ)


ビーフシチューにカレー粉やトマトペーストを足すと、ビーフカランガというケニアのビーフシチューっぽくなるらしい。

今度正確な作り方教えてくれるって、楽しみ♪



今日もおいしくごはんをいただきました、

ごちそうさまでした。








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ミクルちゃんの料理手帖 帆高亜希 @Azul-spring

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