なかがき ー閑話休題、的な-
なかがき その一『ディ・ア・レ・スト』本編について作者のつぶやきー
ここまでお読みくださいましてありがとうございます。ちょっとここで閑話休題、も外伝ならではでありかなと思い、本編について作者はこんなこと思いながら書いていました、というような文を載せておきたいと思います。
これは近況ノートに載せてもある内容なので、再掲になってしまい重複してお読みになる方もいらっしゃることは大変申し訳ないのですが、読んで無い方に向けて、ここにまた載せることをお許しください。
では徒然と書いた文ですが、お目通し頂ければ幸いです。
この話は書き始めはラブストーリーで突き進もうと思っててロードムービー的な「2クールくらいの恋愛TVドラマ」というイメージで執筆を始めたのですが、書き進んでいるうちにイヴァンとスノウにとって「戦争とはいつまでを戦争というのか」「戦後とはなにか」「個々人の戦争責任とはなにか」という疑念が浮かんできて、それをエンターテイメントに如何に落とし込むか、やってみよう、と試みた作品です。(大きく出たな、つる。)
惑星スフェーン編あたりからは、そんなことを考えながら書いておりました。戦没者の墓参りが主体の話ですものね。それに指輪を盗む兄妹や一般人にも蔓延する麻薬のエピソード、あと、掃討戦の話なんかも。
そしてあれやこれやの結果、イヴァンは戦争犯罪の「被害者」として物語にけりをつけるわけです。ちょっとしたパラドックス的展開でこの話は終わります。
……さすがにずばり「戦争責任」をテーマにしちゃうと重すぎて誰もついてこない話になるし、そこまでの筆力は、私にはないのですが。
私は戦争経験者ではないですが、これを読んだ方で「戦争は体験した者にとっては死ぬまでが戦争だ」という感想を下さった方がいらしたのですが、本当のところ、そうなのかもしれません。
さらに、私にとっては、コロナ禍が書かせた小説でもあります。コロナで仕事が激減し、時間の余裕ができた、というなんともうれしくない物理的な理由だけでなく、このはちゃめちゃな政治状況が続くコロナ禍の混乱が過ぎたとき、その渦中にいた指導者や市民(つまり私も含む)は、どんな責任を、後世に対してとるべきなのだろう、という「有事のあとの個々人の責任」がこの小説を書きながらずっと頭にありました。つまりは、上に書いた「個々人の戦争責任」ってやつですね。
イヴァンが元軍人ということで、スノウの境遇を知ることであれこれ考えこんだり、湖畔で老人と言い争いをしたり、掃討戦に参加させられたり、また、「俺は生き続けていいのか」というスノウへの問いは、その辺から来ています。
この物語を書き進めさせたものには、そういう現在の社会背景もありましたことを知っておいてくだされば幸いです。
徒然話は以上になります。
お付き合い頂きありがとうございました。
さてこの後はまた外伝をお楽しみ頂きたい……のですが、困ったことにいまパソコンが修理中でして、書き続けるのがなかなかままならない状況です。
なのでゆっくり更新になるとは思いますが、気長に待っていただき、また先をお読みいただけたらな……と、勝手なお願いをしてこの文を締めたいと思います。
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