第3話 そもそも書いたきっかけは
そういえば、この作品を書いたきっかけをここで話していませんでしたね。以前、質問に答えるエッセイや自作をおすすめする練習エッセイには書き込みましたが。
ということで、改めてここでもお話しましょう。
かなり昔のこと。まだ大学生だった頃に、同人漫画を描いている友人から「漫画の原作書いてみない?」と誘われたのが創作活動のきっかけでした。
『女の子が帰る話』で『ファンタジー』
この条件で、締切まではわずか一週間。
初めての小説でこれは立派な無茶振りってもんでしょう。けれど初めてなのでそんなこともよくわからず、必死こいて小説もどきを書いて提出しました。
当時は手書き。がっつり書くには時間がないので、あらすじを少しばかり細かく書いた、1万文字弱の作品を依頼主に渡したのですよ。
ところが……。
「これ、私には描けない。けど面白いから、そのまま小説として載せるね!」
は? いや、それ小説になってな――
「普段はネコかぶってるんだね~」
えーと、てっきりヒロイックファンタジーを求められたんだと思ったんだけど……ひ、ひどい言われようでは?!
てなことで、不本意ながら創作デビューのこの作品(しかもちょっとだけ細かいあらすじ程度のもの)が、部数の少ない零細同人誌とはいえ世に出されてしまった訳です。少なくとも、第一章の前半だけね。後半は知らない。
そのまますっかり忘れて月日は流れ、今から5~6年前……旅先で見たとあるTV番組がきっかけで、この物語が急に私の中で暴れはじめました。暴れすぎて、趣味の乗り鉄で車窓を楽しむ余裕もないほどに。
――これは吐き出さないと収まらない。
出がけに寄ったコンビニで食料を仕入れるついでに買った、手のひらサイズのちびノート。列車に揺られながら、そこにシャープペンで一気に文字を書きなぐりました。買ったばかりのノートは、終点に着く頃には空白ページがなくなっていました。まるで図ったように、最後のページで吐き出し完了。
その日から約5年。時間に追われて力業で書いたが故に発生していた、不自然だった部分や矛盾点をがっつり修正。その後もずっと定期的に推敲や校正を重ね、大事に練り上げた作品。
これをどこかの誰かに読んでもらえたら……。
カクヨムのアカウント取得を決心したのは、この思いからでした。
その割に、実験シリーズを先に投稿したあたりが自分のヘタレなところなんですが……要は、勇気が出なかったのですよね。
この作品、今の流行には乗っていませんし、Web小説の書き方もしていません(ちょっとだけ寄せようと頑張った時期もありましたが)。
不本意なあらすじ程度のものを出された反動からか、描写をかなり多めに変更してます。「わしゃガッチガチの硬質文体で書かれたファンタジー小説が読みたいんぢゃあ!」の思いで書いたので文章も硬く、正直、読んでくださる人がいるとも思っておりませんでした。
ところが、いざ投稿してみるとジワジワとではありますがPVが伸び、かなり嬉しいご感想やアドバイスもたくさんいただき、続きを望む声まで……。私はなんと幸せなのでしょう!
改めまして、読むのが大変であろうこの作品をお読みくださったみなさま、ありがとうございます!
もし昔の「ちょいと細かいあらすじ程度のもの」を読んでみたいというご奇特な方がいらっしゃいましたらコメントください。最初に書いたものではなくて5~6年前の復刻版をちょっとだけいじったものですが、ご要望があれば公開します。
追記。
ご要望がありましたので、過去の『風が~』を公開しました。こっ恥ずかしいー!
https://kakuyomu.jp/works/1177354054916599067
現行のものと比べると、えらくあっさりしていますね。うおぉ隠れたいッ……。
風が伝えた愛の歌 こぼれ話 鬼無里 涼 @ryo_kinasa
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