第25話 ラッシュとタッグ

__イグゼル、ルーベットチーム__



「このままじゃジリ貧だな。」


なかなか決着がつかない。むしろ魔力的にはイグゼル達の方が消費していた。



「あの二人の攻撃はスキが無いし、魔力の消費も少ない。」


イグゼルはそう言うとルーベットに提案する。


「ルーベット、協力することができるか?」


イグゼルはルーベットに聞くが、



「無理に決まってるだろうが!俺様と手を組むことさえおこがましい。」



ルーベットがそう言うとイグゼルはニヤリと笑った。


「そう言うと思ってたよ。」



「ゼフィア様、このままいけばあいつらは魔力消費で勝てます!」


「ダメだ。」


「何故ですか!」


ドリアンドの提案を拒否するゼフィア。



「アイツらには、完璧に勝つ必要がある。」


「それは…どういうことですか?」



ドリアンドはその質問に疑問を抱く。



「あのイグゼルと言うやつ、風の噂によると5年前に西の方では最強の剣術士と呼ばれるほどの実力があったらしい。」


「そんなやつがどうしてこんな連中と?」



「それは我にも分からない。だが、ここに来る前にあいつは大陸の中で3本の指に入る実力者だと自分で言い放った。それは」


「我よりも優れているということ。」


「そんなはずはないですよ!」



ドリアンドがそう言おうとした途端、ルーベットとイグゼルはこちらに向かって走ってくる。



「ゼフィア様!敵がこちらに接近してます。作戦は?」


「滝の陣で行こう。」



そういうとドリアンドは魔術を放つ。


「水魔術!#流体龍__アクアドラゴン__#」


ドリアンドが放った水の龍は2人を狙い飛んでくる。



「炎剣術…#炎の渦!__ほのおのうず__#」


イグゼルの技は龍に当たり、威力が落ちる。


「#死の閃光__デス・サイト!__#」


さらにルーベットの技により龍は消え、2人は走り出す。


「嘘だろ…私の技をあんな攻撃で…」


「ドリアンド…下がってろ。」


ゼフィアはドリアンドにそう言うと、横に掛けてあった黒刀を初めて抜く。


「闇剣術…」


「#森羅万象__しんらばんしょう__#」


ゼフィアが刀を横断すると空間が切れ、地形が少し横にずれて切れる。


「ゲホッ…」「う…」


イグゼルとルーベットは腹に横断された傷が付き、動きが止まる。



「嘘だろおい…まだあいつらと50mは離れてるっていうのに、この攻撃範囲かよ…」


ルーベットは苦しい顔をしながら言う。



「ドリアンド…お前はひとまず魔力を回復しておけ、あいつらは我が相手する。」


そういうとゼフィアはイグゼルたちの方に歩いてくる。


だが、そんな中イグゼルだけが笑っていた。



「おい…何笑ってんだよイグゼル。この状況を分かってるのか?」



「ああ」



「だからこそだよ」


そういうと口から血を流しながらニヤリと笑った顔でルーベットに言った。


「戦況が変わったぞルーベット」


「なにを言って…」


「さっきまでは俺達は個々の力で連携を取るゼフィア達に抵抗していたが、さっきのドリアンドの攻撃を俺達が潰したことで、あいつの攻撃は俺達には聞かないとゼフィアは分かったんだ」



ルーベットは何が何だか分からない顔をしていた。


「まぁ簡単に言ったら、それが逆になって、アイツらはゼフィア単体で相手をしようとしてる。そして俺たちは連携をとってあいつらを倒す。」


「つまり、!」


「次は俺達が反撃の番だ!」



次回 「地響きがなる戦場の中で」

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被虐のアドラメルク〜最強種族は、故郷を燃やした魔王を許さない〜 ぺる @mikannomi

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