エイリアン~Ver. Another World~
砂漠の使徒
プロローグ
「こちら第三調査隊隊長のガオル……」
「がはっ」
「この星に住まう生物は高い戦闘能力と」
「くっ……」
「獰猛な性格により我々をせん滅……」
「もう……私も虫の息だ」
「最後に……奴の繁殖能力には十分……」
「グワーッ!!!」
その人間が最後まで報告をすることはできなかった。
なぜなら、彼の頭は大きく開いた口に飲み込まれたからだ。
この星に住まう生物の口は人間の血で真っ赤に染まっている。
「こちら特殊生物せん滅隊隊長のゴーダだ!」
「まもなくそこに到着予定。持ちこたえろ!」
さきほどの人間が持っていた無線機がこう告げる。
それを聞き、生物の口がわずかに動いた。
まるで笑っているようだ。
上空には宇宙船が見える。
生物はそれを静かに待っている。
その時だ。
謎の光が生物を包み始めた。
奴らのレーザー光線か?
しかし、どんなに早く移動しても光を振り切れない。
やがて、生物の姿が消え去った。
「隊長! 奴の熱源反応が消えました!」
「バカな! 消えたというのか!?」
事実、彼らが目標としていた生物はこの星にはもういなかった。
すでに異世界に召喚されていたのだ。
これはのちにその世界で「魔獣・アリエン」として恐れられる生物の物語だ。
エイリアン~Ver. Another World~ 砂漠の使徒 @461kuma
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