SS話 私は知りたい②

「ん、もうこんな時間か……」


「どうかしましたか?」


私は、去紅舞さんの過去の話を聞いていた。


「いや、そろそろ閉店時間だから、今日はここまでかなって思っててさ。まあ、クッキーも無くなったし」


「そう、ですか……」


この時間が愛おしいのは、きっと私があなたを好きだからだと思う。

あの日、私を、私の妹を助けてくれたあなたが好きになったんです。

私は過去が変わってしまっても何故か記憶が残っていた。

ただ、少しだけ記憶の辻褄合わせが気持ち悪い感覚がしていた。

でも、今聞きたいことは、


「マスター、なんで探偵を辞めたんですか?」


私の口は、考えるよりも先走っていた。

私はまだ、何も知らない。

もっと去紅舞さんのことを知りたい!!

もっと話しをしたい。

そのためにも、聞くしか無かったのだろう。


「それは、一番大切だったものを守ることが出来なかったからだ……」


「それって……」


「はいっ、この話はここで終わり。もう今日は時間だし、上がっていいよ。残りの片付けは俺がやっておくから」


「……はい、ありがとうございます。では、お先に失礼します。」


そして私は更衣室に向かった。


「やっぱり、去紅舞さんはもっと大きなものを抱えているんだ……」


彼の力になりたい、彼の支えになりたい。

でも、彼の中にあるのは、私じゃない。


「……私、勝ち目ないじゃん」


それでも、私は彼の隣にいたい。

お願い、こんな日々がずっと続いていきますように。

私には、そんな事しか願えなかった。











________________________

(あとがき)

皆さんこんにちは、汐風波沙です。

本日は、ショートストーリーを2本投稿しました。

理由としては、過去喫茶があまり進んでないと感じたのと、キリが良かったので、1度ここで一区切りつけたいと考えておりました。

次の更新は、いつになるかわかりませんが、本編を少しずつ修正したりしていく予定なので、良かったら、沢山読んで頂けると、今後のモチベーションになるので、よろしくお願いします。

今後とも、自分の作品をよろしくお願いします。

以上汐風波沙でした。

また次回の更新で!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る