休憩話 過波探偵事務所③

「さて、俺は免許持ってないから、じゃあ、運転頼むわ」


「おう、任せておけ、俺は警察官だからな、運転には自信がある」


「嘘付け、馬鹿野郎!!お前、そう言いながらこの間事故しただろ!!だから今日は事故るなよ!!」


これが俺達の鉄板ネタなのだ。

だが、毎回の如くコイツは事故を起こす。大体はスピード違反の車を追うために覆面パトカーしてるだけなのだが……、それは、秘密にしておこう。


「去紅舞さん、無理はしないでくださいよ、あなたは特別な人間なんかじゃないんですから」


「わかってるって、じゃあ、留守番頼むぞ、阿阪」


「はい、いってらっしゃい……」


「うん、行ってくる。今日はオムライスを食べたいな……」


「とびきり美味しいの作って待ってるから、ちゃんと帰ってきてね」


「ああ、じゃあ行ってくる!!」


こうして俺は警察署に向かった。



















「全く、お前は毎回毎回いきなりぶっ飛ばしやがって!!俺はお前ら警官みたいに特殊訓練受けてるわけじゃねぇんだぞっ!!一般人なんだぞ!!」


「だから謝ってるだろ?あれは逃走している犯人を捕まえるために仕方の無い事じゃねぇか!!」


「普通な、飛ばす時は、『今から飛ばす』とか言うものだろうが!!」


「あ、そうだった。申し訳ない、去紅舞。この通りだ……」


そう言うと、国井は一瞬で見事な土下座を披露した。


「わかればいいんだよ、わかれば!!次はないと思えよ、今度やったら、ここの署長にお前の特殊性癖言いふらすからな!!」


「わかった、もう二度としませんので、それだけは……」


「まあ、今回だけな。今回は、話せない要件なんだろ?」


「わかってるじゃねぇか!!じゃあ、いつもの会議室借りてるから、先行っててくれ、荷物を持って俺も行くから」


「わかった。じゃあ、また後でな!!」


俺は国井と別れてに向かった。











ガチャっ

俺は会議室の扉を開けた。


「おや、何時ぞやの事件で捜査協力、事件解決をしてくれた、探偵さんではないか」


「まさか、アンタが居るとはな、三枝木刑事」


この女は、俺が世界一嫌いな女だ。

コイツは毎度毎度、探偵の俺をバカにしてきやがるのだ。


「ところで、今日はの協力かな?」


「だとしたらなんって言うんだよ?」


「君の出る幕はない、諦めて帰るんだね。まあ、その事件は、私がしっかりと解決してみせるのだから、貴方の出番はないわ!!」


俺に向かってドヤ顔で三枝木刑事は言った。


「あ、そうですか。すみませんが、俺は国井に協力するだけですから」


「まあいいさ、せいぜい吠え面かくことだな!!」


と言って、三枝木刑事は去っていった。

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