依檻〜入院編
ちょうど一年前ぐらいです。
自分は入院し始めました。もちろん隔離病棟でした。
荷物チェックをして部屋を案内されるときに同じくらいの年の人がいました。
皆んなで楽しそうに笑ってました。自分はその目が怖かったです。
睨まれたりしていたわけではないのですが、
何を思っているのか。思われてるのか。
一週間ぐらいはずっと部屋に引きこもってました。
たまに、扉の前で「声かける?」なんて声も聞こえました。
その頃は部屋でどうやって死のうかしか考えていませんでした。
ちょうどクリスマスの時かな。
「コンコン」ノックがかかりました。
扉を開けると男子2人がいて「みんなで話さない?」って誘ってくれました。
とても嬉しかったです。
ちょっと怖かったけど。ホールにいくと皆がいて、自己紹介をしてもらった。
ただ、自分は名前を覚えるのが極端に苦手で覚えるのには
時間がかかった。7人ぐらい居たかな。何より優しかった。
夜も皆といてケーキを食べた。しかも元から買ってくれてたらしい。
本当に楽しかった。当然時間が経てばみんな退院するから寂しかった。
しばらくして今の彼女「四季刃」になる人が入院し始めた。
ちらっと見た時、不思議な感じの人で気になって仕方なかった。
その時には同じくらいの人は何人かいたけど、
ホールには3人くらいしかいなかった。男子は自分合わせて2人だったかな。
四季刃はホールに案内され、看護師もいなくなり1人で困ってた。
そしたら、三人でジャンケンして負けた人が声をかけることになった。
結果、負けたのは俺だった。「いや、コミュ症なんだが。しかも異性だし」
って思いながら、四季刃に「みんなで話さない?」て声をかけた。
今考えたら、負けて良かったなって思ってる。
その時は何をしたかな。
いろんな飲み物を混ぜて最後にわさびのふりかけを入れて飲んだっけな。
この世の終わりみたいな味だったな。
その夜もみんなで集まったな。その時の四季刃は僕の絵を描いてみんなで話したな
数日経ってから、「四季刃のことどう思う?」って友達から聞かれた。
「可愛い。それに絵も描けるし。。気になってるよ。
四季刃はちっともだと思うけどね」って答えた。
それからまた数日後にその友達の退院日が決まって自分が1番
長い人になってしまった。
その退院する日にホールで四季刃も含んで4人で話してた。
四季刃が、少し部屋に行き三人になった。
すると、「四季刃は依檻のこと好きだよ。」
「え・・・」数秒、理解が追いつかなかった。
すると、「あとはわかるよね。頑張れ」
みたいなことを話してると四季刃がもどってきた。
少したって2人も退院してしまった。
四季刃に「寂しくなるね」って他愛ない話をしながら、
スマホに、好きです。なんて打っていた。
連絡交換すらダメなのだから。理由はのちに嫌というほど分かるが。
打ち終わり、ドキドキしながらスマホを渡した。
自分は、やっぱりドキドキした。
四季刃は顔を伏せながらスマホを渡した。
私で良ければお願いしますだった。
読み終わり彼女の顔を見ると机に伏せていた。
バレないように手を繋いだ。
ただ、一つ不思議だった。「なぜ俺を好きになったのか」だった。
退院した2人に依檻がどう思っているのか聞いたのも好きだったからだ。
まず、相手から好きになってくれてたのは初だ。
その理由を聞くまでは、チャンスがあったからという気持ちもあった。
「優しくて、面白くて・・・
ここまではよく聞く言葉だった。
「落とせるとでも思ったのかな」って自分は思った。
・・・何より、最初に話しかけてくれたから。」
俺はポカンとした。過去のことは大体忘れるからだ。
思わず「そうだっけ?」て話した。
「そうだよ。みんなと話さないって。じゃんけんも知ってるけどw」
自分が恥ずかしくなった。
追撃で「好きです」なんて言われた。
思わず自分がテーブルに顔をうつ伏せた。
自分も「好き。」て答えた。
ここから先も色々あった。
そんな言葉で終わらす。理由は一つ。彼女の精神のことに関わるからだ。
自分も。彼女も。お互いしか話せなかったことがたくさんあるから。
彼女の許可が取れない以上書けない。
もとより、筆記で書いた日記を打つ小説でもあるから。
そして、今も自分は彼女に依存している。今ある全てを捨てても
彼女がそばにいるのなら。
打ちながら思った。なんでそんなに彼女に依存しているのか。
ずっと謎だった。答えは簡単だった。
初めて彼女から好きになってくれたから。
あることを決めている。彼女が死んだら自分も死ぬということ。
生きる理由がなくなるのもあるが何より、
「死んでも彼女のそばに居たい」という。普通の人から見たら狂気じみてるの
かな。理解して欲しいわけではない。
では、もうそろ、日記の方に入ろうかな。
依檻の日記 依檻 @iori1209
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