独り言

@ayumi78

第10話

ある日、上司に呼ばれた。海外出張……つまりそれは、「なにか」を取引するため。武器なのか、別のものなのか。「これを持って行ってくれ」と、茶封筒を渡された。それから「パスポートは、これを使ってくれ」と、巧妙に偽造されたパスポートを渡された。この商社のもう1つの顔、死の商人という側面を隠すため、だそうだ。

まあ、私は都合のいい人間なんだろう。表向きは親のいない天涯孤独の身だから。

「なるほど。分かりました」

帰宅後、渡された茶封筒をスーツケースに厳重にしまい込み、次の日、私は飛行機に乗った。

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