緑川 雪奈
良い感じで戦士が集まってきた。この調子で一気に集めてしまいたい。次の候補は
今までの3人は高等学校の生徒だったが、雪奈は中等学校の生徒で14歳だそうだ。
ここまでの感触で俺の中の高等学校と言う言葉の意味が崩れかけてきているのは否めないが、その下の中等学校生の雪奈は果たして大丈夫なのだろうか?
場所は学校内だが幸いな事に今、雪奈の周りには他の人間は居ないようだ。
校舎の屋上に出る階段の隅っこで雪奈は1人で昼飯を食べていた。声をかけるにはとても良い状況である。
見れば雪奈は数カ所の負傷をしている様だ。両腕には包帯が巻かれ、右目は眼帯によって覆われている。なんとも痛々しい、よもや彼女は何らかの理由で他者に迫害されている身分なのか…?
《…緑川雪奈よ、聞こえるか…?(中略)君のその力を貸してほしい…》
その思念とともに、俺は空間迷彩を解除して雪奈の前に降り立つ。突如出現した猫から
《今地球は侵略者(中略)地球を守って欲しい》
俺の言葉を俯きながら聞いていた雪奈は、やがてわなわなと震え出した。その後、
「ふ… ふふふふ… ふふふふふふ…」
と笑っているのか怒っているのか分からない、不穏な声を上げ始めた。
そして一気に顔を上げた雪奈は我が意を得たり、とばかりに叫びだした。
「キタコレ!! 謎の猫による戦士の召喚! これで勝つる!!」
え? 何言ってんのこの娘? いや趣旨は間違ってないんだけど、予想してたリアクションと違うっていうか、何か俺の方がドン引きしてるんだけど?
「…ふっ、猫よ、バタフライとか言ったな。このシャルロット・グリンリバーの手にかかれば全ては安泰だ。我が右手の封印が解かれし時、この世の全てが灰燼と
…いや、色々間違えてるぞ? 俺の名前はパタラデン、君の名前は緑川雪奈。あとスキャンの結果、君はどこも怪我してないし何かが封印されてもいない。あと何より君の使命は星を守る事で壊したらダメだからね?
と、色々ツッコもうとしたが、本人がヤル気になっている風だったから敢えて無視して、ザックリとバトルスーツだの超能力だのの説明をして、俺は宇宙船に帰る事にした。
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