エイミー・イエローブリック

 お次の標的ターゲットはエイミー・イエローブリック。どうやら咲子や和美とは別の国の人間のようだ。長い金髪と青い眼、そしてそばかすが特徴的な娘だ。


なんでも日本に駐留している外国の軍隊の関係者らしい。しかし居住地は日本国内の様なので何の問題も無いだろう。


 夜中、人々が寝静まった時間にエイミーとの接触を図る。今度は『夢のお告げ』的なパターンで攻めてみたいと思う。


 既に寝入っているエイミーに念話テレパシーを送る。彼女は夢の中でフワフワと空を飛んでいる夢を見ていた。


《エイミー・イエローブリックよ、聞こえるか…? 私は(中略)力を貸してほしい…》


 その思念にいち早く反応し、傍らに飛ぶ俺を発見するエイミー。

「猫が飛んでいる… 猫が私に話しかけて来てるの? なんて事?! 凄いわ!」


 順応性の高そうな娘で良かった。こんな感じで打てば響く様な反応を見せてもらえると、俺としても悪い気はしない。


 このまま一気に説得してしまおう。

《私は銀河警備隊(中略)君の故郷である地球を守って欲しい》

 そのまま一連の流れで色彩戦士の仕組み、バトルスーツ、与えられる超能力の事などもまとめて説明した。


 エイミーは子供の様に目を輝かせて興奮気味に鼻息荒く頷いている。親が軍人のせいか、星を守る戦士に選ばれる事の栄誉を理解しているのだろう。


「引っ越して早々にバトルレンジャーに選ばれるなんて、さすが『漫画とアニメの国』日本ね! 超スゲーアメージング! 私頑張るわ!」


 素晴らしい食い付きだ。何だか嫌な予感がしないでも無いが、今までで一番まともな反応を見せてくれた。正直俺の中ではエイミーが最も好感度が高い。


 5人の仲間を勧誘し終えたら、また顔合わせの機会を作る事をエイミーに伝え、俺は次の戦士候補者の元へ向かった。

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