■あらすじ
舞台は神仙と妖が棲まう中華風の世界「神州」。しかし、いつしか神や仙は姿を消し、「仙士」という人々が妖の退治を請け負っていた。
元・仙士を父に持つ少女・石凰華は、赤みを帯びた鋭い眼差しの白髪の青年・拓飛と出会う。人虎を追ってきたという拓飛は、左腕にある秘密を抱えていて……?
武侠小説の要素と少年漫画のテイストを加えた中華バトルファンタジーです!
■おすすめポイント
(1)武侠小説の魅力がたっぷり
武侠小説の魅力というと、まずは超人的な武功を持った人々が繰り広げる、華やかかつ圧巻のアクション!! そして、様々な思いや、しがらみが織りなす人間の「生」のドラマにあると思います。
時に「義」の為に。
時に掟や社会的な通念の為に。
或いは己の信念の為に。
曲げられないもの同士が激しくぶつかり合ったり、不利な選択を選ばざるを得なかったり……そんな、不器用でも、激しい生き様。
そこへ、人の利と欲なども絡み合ったりして、複雑な人間模様が描かれます。
また、偶然か必然か、新たな出会いによって主人公達が新たな力を身につけて、強く成長していくというのもポイントですね。
本作でも、そんな武侠小説の魅力がたっぷり詰め込まれています(*´艸`)♪ 是非、ご堪能ください!
(2)中華ファンタジー好きに堪らない様々な要素
門派の名に「四神」が冠されていたり、それに関連した武術の違いがあったり、黒幕の存在だったり、中華ファンタジー好きなら思わず「おっ!」と思う要素が散りばめられています。それらの要素・存在を擁しながら緻密に構成された豊かな世界観が魅力的!
(3)様々に魅力ある登場人物たち
いかにも少年漫画の主人公を思わせる、態度も目付きも悪い主人公・拓飛。
女嫌いで乱暴だけど、人としての正義感や、不器用な優しさも見せます。
そして、とりたてて美人という訳でも無いけれど、どこか人を惹きつけるヒロイン・凰華。
物語の中盤で仲間に加わるムードメーカー・斉。
拓飛のライバル、青龍派のイケメン・黄龍悟を始めとする、それぞれの門派に属する強者たち。
きっと、心惹かれるキャラが居る筈!
全122話ということで、ちまちま読み進めていたのですが、後半は先が気になって気になって、一気に読んでしまいました(^^♪
続編はまたちょっと違うテイストのようで、そちらも楽しみです。
■こんな方向け
☑武侠モノが好きな方、または興味のある方
☑バトルモノが好きな方
☑中華ファンタジーが好きな方
最近、武侠ドラマの面白さに気づいた中華ファンタジー初心者です。
中華ドラマを観たことがあるそこのアナタ。
下記のような疑問を持ったことがありませんか?
「おいおい。何で屋根の上まで人間がフワッと飛び上がれるんだよ? そんなに跳躍するなんて、無理でしょ?」
上記のような表現。初めて見るとビックリしますよね。なのですが……
実はとある中華ドラマのジャンルを知っていれば「なるほど。この人はどこぞの侠客(武芸者)なんだね」と、納得して物語に集中できます(笑)
その知ってればなジャンルが「武侠」です。
日本で人気の中華モノと言えば後宮恋愛譚ですが、聞いたところによると本場中国では上記で記述した武闘家が活躍する武侠もとても人気があるそうです。
なかでも、金庸の小説をドラマ化したものは何度もリメイクされていて、その度に高い人気を得ているようです。
この作品は、そんな武侠のジャンルに入る作品です。
私も金庸原作のドラマをいくつか観ましたが、この作品にはそれらのドラマで観た要素がたっぷり詰まっています。
かなりの武侠好きじゃないと、ここまでの作品にならない気がする……
知識量がスゴイです!
日本語でここまで凝った設定の小説に出会えるとは思いませんでした。面白かったです!
そんなわけで本作は下記のような人に特におススメ☆
・後宮もの以外の中華小説に出会いたい
・バトルありな少年漫画が好き
・武侠、仙侠が好き