第3話 昔の姿
先輩が隣に引っ越してきた。
「今日からよろしくね」
「「よ、よろしくお願いします…」」
なんとなく気まずい……それは真衣も同じ様だ。
「美少女二人がお隣さん何て朝くん幸せ者だね」
確かにそうかもしれない。
「私は積極的に攻めるからね。真衣ちゃんいいの?朝くん覚悟しといて」
「私も積極的に攻めるもん」
覚悟は出来ていない…美少女二人がお隣さんってクラスの皆に知られたら…ゾッとする。
「でも、前にも言ったけど真衣に心を動かせられることはないと思う」
「朝くん酷い!!」
やばい。何て事を言うんだ僕は…
「ごめん。好きになれるよう頑張るよ」
「私のことは?」
先輩にかたよりそう…
「まあどっちかは後で決めます」
今は決められない。
「「はーい」」
●○●○●○
月曜日、学校に登校しようとしたら部屋の前に先輩と懐かしいような感じの真衣が居た。
「ま、真衣!?」
昔の真衣だ。やっぱり昔の真衣も美少女だなぁ。
「どう?」
「か、可愛いよ」
真衣は嬉しそうだ。可愛い。
「どうして急に?」
その質問に先輩が答えた。
「朝くんが昔の真衣が好きって言ったから真衣ちゃん、元に戻ったんだよ」
また、俺のために…か…
その考えを読み取ったのか
「ち、違うよ。私も昔の方がいいなって思っただけだから、個人的なやつだよ」
と言った。まあ、それならいいかな。
そして、二人が学校に向かおうとする。
「でも、二人と一緒に登校は嫌だよ」
二人は勢いよく振り返った。
「「なんで?」」
「他のやつにバレたら死ぬ…殺される…」
「えっ。普通に見てる人いるじゃん」
真衣がマンションの近くの歩行者道を指差す。
そこには秋桜の制服を着た人達がこちらを睨み付けてる。
もう遅かったか…
「だから行こ!」
先輩も頷いている。
これ、さらに悪化するだろ…
真衣と先輩に手を引っ張られながらも学校へ向かった。
●○●○●○
予想通り、学校で噂がやばい…写真と流出されてるみたいだ…
休み時間はこの話しか聞こえてこない。
真衣の姿は驚かれていたが元の姿も可愛いから皆、ショックということはあまり無かった。
[ガラガラガラ]
僕らの教室に誰か来たみたいだ。しかし、興味はない。僕の事を探している奴もいるみたいだし。真衣は僕より良い奴いるよ。と友達に言われている。
「笹塚くーん!!!」
少し怒り気味で委員長にそう呼ばれた。
「笹塚くんにお客さん」
誰だ?僕を殺しに来てる奴じゃないといいけど。
向かうとそこには先輩が居た。
「よっ!朝くん!」
そう言うと共に僕に抱きついてきた。
『ざわざわ』
やばい…
「私は嬉しいよ朝くん!一緒に寝たことある関係だもんね」
『ざわざわ、ざわざわ』
もっとやばい……睨んでる奴もいる。殺そうかって話している奴もいる。
寝たことあるって昔の事でしょ。ってか言い方が…
そこに真衣が来た。
助けてくれるのか。
「私もありますー!てかお風呂を一緒に入った事もあります!!」
『ざわざわ、ざわざわ、ざわざわ』
「うぉぉぉぉぉぉぉ」
僕は逃げ出した。教室から。そして、もう使われていない教室に入った。
ここなら安心。
「びっくりした。見つかったら殺される…」
「そうだよ。殺してやるよ」
後ろを振り向くとゴツい、怖い奴が4人居た。
「な、何で?」
「ここ、溜まり場なんだよなぁ。逆に聞くけど何であの二人と?最後に聞いておこう」
最後とか怖すぎる。
「お、幼馴染みで…」
「なるほど。分かった。じゃあ殺りますか」
指を鳴らしてそう言う。
終わった…
引っ越してきたお隣さん 秋潟北斗 @akikata
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