私、死んでました
ぶっちゃけると、この半年の間私の語彙力は死んでいた。
語彙力だけじゃない、物語を編む想像力みたいなものも死んでいた。
私は今年の春から正社員に戻ったのだが(とはいえ、他社へ行って協力会社として働く技術派遣さんです)、これがまたストレス半端なかった。
私は20年前も東京で同じような事をやっていて、あの頃の忙しくも楽しいイメージで現場に入った。――が、田舎は違った。本来対等であるはずのメンバーは、自社をひいきし孫請け(うち)を完全に見下し貶した。
まさか、わが子ほど歳の離れたガキに怒鳴られるとは思わんかったわクソったれ。
そんなわけで、私は完全に病んでしまった。久々に本気の鬱を経験した。
双極性障害の鬱は基本眠くなるものなのだが、私は明日が来る恐怖で一睡もできなくなった。過去最高に強い入眠導入剤に変えてもらっても、4時間がせいぜいだった。
これが永遠に続くのかと諦めていたが、営業に早く辞めたいと言っておいたおかげか半年で契約を切ってくれた。
しかし時は既に遅し。
あまりのストレスで、私は本当に文章が書けなくなっていた。
何か書こうと画面を開いても、接続詞が、助詞が、すらすらと出てこない。
閃いたシチュエーションはいくつもあるのに、書こうとPCに向かうと消えている。
というか、もうその前にとにかく休みたかった。真っ白で清潔な部屋を借りて、そこで昏々と寝ていたかった。
そして、今月からは別の会社。
燃え尽き症候群を引きずったままではあるが、今度はありがたいことにリモートワーク。実際よりも重く感じる体を引きずり、時間ギリギリにタイムカードを切って、とりあえず書類仕事からゆっくり作業している。
いや、私はゆっくりしているつもりだったんだけど、仕事が早いですねと褒められた。前の現場ではあれだけギャンギャン喚かれてたのになと、嬉しい落差に笑えて来る。
リモートだとコミュニケーションにタイムラグがあるので、それを利用してカモミールティを煮出したりとか、配線周りをいじったりしている。ケーブルをどうやって這わすか考えるのは、結構楽しい。
そんな風に好き勝手な日々を約5日ほど過ごした今日この頃、やっとこさ文章が書けるまでに回復した。といっても、やっぱ小説は難しい。地元の有名バンドの曲をモチーフに何か書きたいんだけど、脳裏に浮かぶ映像が短時間で消えてしまう。あと、言葉が紡げない。あんなにすらすら書けていたのに、起承転結すら決められない。
だけど、日に日に頭の靄が消えていくのが分かる。寝込む寸前だった体力も、眠るごとに少しずつ少しずつ蓄えられてきている。
前の職場での暗い思い出は、もう消えかかっている。脳がなかったことにしたいんだろう。私ももう振り返りたくない。
さてさて、明日は何か書けるだろうか。
期待しながらそろそろ寝よう。おやすみなさい。
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