最終的に、親とかもう関係ない。
双極性障害の原因に、親との関係が取り上げられることがある。
私も、親との関係は非常に悪い。どれくらい悪いかというと、命の危機を感じて着の身着のままで家を逃げ出し、そのまま帰らず今に至るくらい悪い。
人間扱いされずに育った人間は、自分を人間以下だと思っているので非常に卑屈になる。罵倒されるのも人並みに嫌なんだけど、褒められたり認められたりということも非常に気持ち悪い。つまり、何言われても苦しいんである。
人間は、社会という集団の中でないと生きられない。しかし我々のような踏みつけにされた人間にとって、社会というのは何かを言われ続ける地獄なのだ。
そんな風にわが子を育てたという点において、確かに親は原因である。それは間違いないだろう。
しかし、原因が分かったところでどうだっていうのだ。
親が謝れば病気が消えるのか。改心してくれたら病気が消えるのか。
消えるわけがないのだ、だって精神病は厳密には『病気』ではないんだもの。
精神病は、特にうつ病や双極性障害というのは、【大怪我】に近いものなのだ。脳という臓器が内部から壊れた状態で、破損した部分はどうやっても戻らない。
風邪のように、原因菌を追い出したらハイ完治、とはいかないのだ。……そもそも、親を人生から追い出すってどうやるんだ。過去に戻って消すんかい。
だから一番現実的なのは、『リハビリ』だと私は思う。破損した部分を薬で補いながら、自己肯定感を高める訓練をする。何かポランティアとかに参加するのもありだし、施設で認知行動療法を受ける方法もある。私は双極性障害の当事者会に参加して、同じ病気の方々の悩みや対策法を拝聴して勉強している。
私の後ろにはもう50年近い人生がある。結構な長さだ。しかし時間は前にしか進まない、後ろを見たところでなんの改善もできないのだ。
もし変えられるとしたら未来だけ。そのために今できる『リハビリ』をすることが、人並みの人生ルートに乗る近道じゃないか。……いや、別に人並みにならなくてもいいけど。まあ、理想の生き方というか、自分なりの楽しい生き方は後ろ見てたってできないよね。今をどう改善するか悩んでる方が、充実感あるよね。
人の気持ちにはフェーズがある。
まず気づき。
次に憎しみ。
無力感と諦め。
そして受け入れ、というか無感覚。
親を憎んでいる人は、まだまだ気持ちの整理の入り口にいるんだと思っている。だけど、時間が進むように気持ちも変わる。
まあ、憎い親とまだ一緒に住んでいるっていうなら、まず脱出はした方がいいと思うけどね。親から離れないと、気持ちも前に進まないしね。
自分を人として扱わなかった人間に、してやる孝行なんてないんじゃない?
自分の人生に、親なんて関係ないんだよ。
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