うちの彼が、うつで『安定』したようです。
躁鬱は年単位で推移するもの、と聞いてはおりましたが。
発病から3年強となった今年の夏、彼は急に気力を失い始めました。
受け答えもままならぬほどで、目は虚ろ、呼びかけても返事はなし。かと思ったら、私が呟いた「~したい」「~行きたい」という発言は覚えていて、えらい執着を見せるのです。
どこで君は了承した?どこで君は反応した?
何もかも分からないまま、だけど異常であることだけは察して、病院で相談し、様子を見るように1錠、また1錠と薬を減らしていきました。
減らしていくうちに、手足が重いと言い、食欲がないと言い、朝は動けないと言うようになりました。まず、この「体調を説明する」ということが今まで一度もありませんでした。まずそこに私は驚きました。
しかし薬を減らしても、一時的に良くなるものの、またずぶずぶと沼にハマるように体が動かなるようでした。仕事に行けなくなりましたし、食欲も半分近くに減りました。
明らかに、うつ。誰にでも分かりやすい、典型的うつになりました。
だけど私にとって、今の彼はとてもありがたい状態に思えています。
それまでも無気力になることはありましたが、それとは何かが違っていました。
今までは、興奮しすぎたところに冷や水をぶっかけられ、ショートして電源が切れたような感じでした。放心してよだれを垂らしたり、定まらぬ目でゆらゆら揺れていたりしました。一人になることを極端に嫌がり、私をどこに行くにも連れ回しました。
今思えば、この頃はずっと躁だったのかも知れません。
今は、うつだけれど悲観的になっていません。「体が重いなあ」くらいしか不満がなく、「働かないとなあ」とは言いつつも、焦る様子もありません(障害年金が下りたからかも知れませんが)。
とても理性的で、意思疎通ができ、一人で行動することも平気です。私の仕事は出張があるのですが、一泊くらいならなんの抵抗も感じないようです。
実は彼には、抗うつ薬が出ていました。抗うつ薬は、双極性障害には合わないと言われています。それを抜いた途端、最も強く理性が戻って来たのは本当にびっくりしました。薬の副作用って怖いのだなあと、改めて思いました。
彼に釣られて悪化していた私の体調も、彼の復活と共に落ち着きました。
不健康に太っていたのがじわじわと痩せ始め(それでも肥満体)、睡眠が長くなりました。もともと興奮すると眠れなくなったり、目覚めが遅くなるタチなのですが、彼が理性的になったことで「ちゃんと眠らないと駄目だよ」「朝〇時に起こすから寝なさい」などと、私をフォローしてくれるまでにもなりました(感涙)。
ここに至るまでには、いろんな人に「そんなクズとは別れろ」と言われてきました。だけど、本来の彼は気の細やかな優しい人です。見た目はかなり厳ついですが、あまり男性的ではないたおやかな人です。
そんな優しい彼で居続けられますよう、今はゆっくり休んでくれればと思います。
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