障害年金請求書類作成――彼がマジでやばいことが判明する

 うちの彼が真っ当な労働を続けていくのは無理だろう、という事で、障害年金を請求することにしました。


 まあ、私も年金受給者なんですけどね。私の時は月に1度の通院すらやっと、というくらい動けないし、考える事もできなかったので、病院で代筆していただいたんです(カウンセリングもしてくれた先生なので、私の事は私よりもご存じでした)

 しかし今回の病院は「まず自分で書いてみて下さい」との事でしたので、あのでっかいA3の紙を2枚頂いて、彼に「覚えてる事書いてー」と渡しました。


 結果。

 枠の隅っこに『覚えてない』と一行のみ。

 私ブチ切れる。


 仕方なく、私が覚えている事を全部シャーペンでびっしり書いて、病院のケースワーカーさんに確認を頼むと。

「これじゃ年金が下りない」

 と、あっさり却下。A3用紙にビッシリ書いたのに!?!?


 そこで色々調べてみると、『自立した生活が出来なかったこと』だったり、『誰かに助けてもらったこと』だったり、とにかく【一人で生きる事が出来なかった事実】を切々と書く必要があるらしい。

 余談だけど、一人暮らしだと「自立している」とみなされて、年金受給が厳しくなる事もあるのだとか。何その偏見っちゅーかなんちゅーか。


 更に調べると、パソコンで書類を作ってもいいそうなので、それならばと小説執筆で培った高速タイピングで一気に書きましたよ。『通院に至る1年前』から、つまり私たちが同棲を始めた時から!


 その時に彼が勤めていた工場が【昼12時間2日→夜12時間2日→2日休み】という鬼畜シフトでして、ここに入って2カ月くらいで何かおかしくなったんだよ。だけど給料が良すぎて(そりゃ1日12時間勤務がデフォルトだし)頑張っちゃったんだよね。

 彼にも内容を確認してもらい、「この時、職場で物忘れとか多くなかった?」とか、「メモが取れないって言ってたけど、どんな感じだったの?」とか色々と掘り下げて、やっぱりA3にびっしり(今度は前回よりもっと細かい文字で)Wordで打ちこんでやりました。


 それにしても。

 今回分かったのは、彼が思った以上に危険な状態だった、という事です。

「仕事が覚えられない」と怒られていたのは聞いていましたが、その理由をもっと掘り下げると『或る程度の情報を頭に入れると、そこから言われている言葉が記憶できない』『メモを取ろうとしても、ペンを持つときには全て忘れてしまっている』という、完全に病的な気配がするエピソードが出るわ出るわ。更に失禁、便失禁などもあり、彼の神経伝達が狂っている事を示す事象も発覚しました。


 工場内での孤立や、露骨な嫌がらせも発覚し、働けとしつこく焚きつけるんじゃなかったと後悔しました……。逆やったんや、辞めさせるべきだったんや……。

 あの『覚えてない』と書かれた一行も、自力で過去を思い出す事が出来なかったんや……ごめんよ怒鳴って……。


 今日、私が書いた書類を病院に持って行くと、ケースワーカーさんは相当驚いた顔をして、「こんなに細かく書いてくれた方、初めてです!」とめちゃくちゃ称賛してくれました。

 いやあ、これでも物書きのはしくれですからwwアマチュアですけどww。


 病院側は内容を重く見て、2級で支給されるよう頑張ってくれるそうです。

 彼が途切れず働いていたので難しいらしいですが、いや3級でも……やっぱ2級がいいです、お願いだから金寄越しやがれ下さいませ!現状家計がピンチなんです!!

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