「必要とされる人間」なんて、いない。
小さい頃から、『必要とされる人になりなさい』と言われて育った。そうならなきゃと私も考えて、必死で、本当に『必ず死ぬぞ』と言われそうな無理をして、歯を食いしばって生きていた。
だけど、子供の頃からずっと考えていた。「私のようなオンボロが、生まれつきのクズが、欠陥品が、どうして生まれてしまったのか」と。「必要とされる素晴らしい人間になんて、こんな私がなれるものなのか」と。
ぶっ壊れたからこそ分かる。
『必要な人間』など、この世には存在しない。
みんながみんな、受精というギャンブルに当たっただけ。
使命なんて背負ってこの世に来た人はいない。
神がいるかいないかなんて、どうでもいい。
どんなに神が期待をかけようと、親の手に委ねた時点で未来は変わる。
誰に逢うか、何を知るか、何を感じるか、全てが確率の低いギャンブルなのだ。
エジソンは金欲しさに発明をした。
メンデルは牧師生活の息抜きとして、遺伝の妄想をしていただけ。
ベートーヴェンは超汚部屋で作曲に没頭した。
太宰治は愛人をネタに小説を書いた。
自分のために好き勝手やったことばかりが、今の世で『必要』『偉業』として残っている。愛されたくて、褒められたくてやった事など一つもありゃしない。
人は『人類』という1つの塊だ。塊から見れば個人なんて無駄な存在だが、しかし全員が人類を進化させるのに必要な存在だ。
だから、存在意義なんて考えるだけ無駄だ。私達は全員、偶然生まれたのだ。この世に生まれた私達は、異世界の神に請われた転生者ではない。
必要性だの使命だのというのは、先に生まれた人間の甘えと傲慢と怠惰で捏造された洗脳だ。この世に真のオンボロはいない。私達は、もっと好き勝手暴れていい。
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