双極性障害さんの独り言。

みんな、同じ理由で死ぬんだよ。

　精神を病む人っていうのは2通りある。

　１つ、単純に頑張りすぎた人。

　２つ、他人に合わせすぎた人。

　１つ目の方は、「好きな事を仕事にしているはずなのに、やりたくて必死にやっているのに、ぶっ壊れた人」という意味。周囲から見たらストレスなんてなさそうなのに、自分の評価基準が高すぎて手を抜けないとか、そういう感じ。

　２つ目の方は、自分よりも他人を優先してしまう人。よく言えば優しい人で、悪く言えば自分がない、自立できていない。

　自分自身に関する決定にも、親や友人の意見を優先する。結果、失敗したとき誰も責める事ができず、物事の理解もできないまま自分だけを攻撃して壊れていく。

　１つ目の方は、ゆっくり休んで生き方を変えれば回復は早い。

　２つ目の方は、……正直、常識から考え直さないと無理だ。洗脳されてる。

　私は、2つ目の方に該当する人間だった。

「私のような人間がいない方が、親が喜ぶ、世間も喜ぶ！」なんて理由で、何度も自殺未遂をした。

　……ていうか、自殺する人の大半の理由はこれだろう。「自分が他人を不幸にするから」。勝手に死ぬなとか死んで逃げるなとか言う人って多いけど、大抵の自殺志願者はそういう人を可哀想な目で見ていると思いますよ？　だって、こちとら最大限の親切心でODしたり、首吊ったりしてるんですもの。むしろ地球環境の為に攻めているんだもの。――もちろんそれは、病気による幻覚だけどね。

　そう、みんな同じなのだ。自分だけが特別辛いわけじゃない。

　納得いかないだろうけど、実際そうなのだ。

　私みたいなのが、日本にはおそらく10万人、20万人と存在する。自殺に成功した人間だけで、2万～3万人いるんだから。

　私が死ぬことで誰が喜ぶのか。そればっかり考えていた時期がある。

　結果、大金が出て行って恨まれるだけだと気づいたときは、本当に絶望した。だって火葬に9万、うちの地方は個人墓なので墓一基50万＋土地代。うっかり100万を超えかねない。

　結局「お前は何をやっても迷惑だ」という人のために死んでやったって、やっぱり生きている以上に迷惑をかける結果しかないのだ。人間、結局は金だしね。

　この言葉は当事者に届かないだろうけど、あなたは特別劣っているわけじゃありません。言われた事をやらなきゃと、力み過ぎて疲れただけです。

　そして人間は、誰かや何かに従って生きる生き物ではありません。群れではあるけれど、協力し合って生きてきた存在です。命令なんてされる筋合いもなければ、犠牲になる必要もありません。犠牲になる必要がないということは、犠牲になったつもりで捧げた命は、誰にも受け取られないという事です。

　死にたいという気持ちは分かります。負けそうな気持ちも分かります。

　それでも頑張れという言葉の中には、私のように『死は無駄でしかない』と分かっている人の声も含まれています。

　彼岸に渡ろうとする前に、自分が死ぬ理由を振り返ってみて下さい。

　――本当にそれで、世の中は良くなるなんて思えますか？