霞草

0i

贈り物

『今の時代はスマートフォンさえあれば、たくさんの情報を入手することが出来る。

知りたいことも、知りたくないことも。

あの時あの曲にさえ出会わなければきっと違う人生を歩めていたはずだ。

正直どうでもよかった。

親が死のうが、友達が死のうが

ただ、やりたりことが出来たら何でも良かった。

そう思いながら私は携帯を置いて布団から出た。

窓から見える空は私の気持ちと同じくらい暗くてそして寒かった。』カスミソウ/涼花 莉奈


足を音が聞こえてくる。

半年前一緒に同居していた彼女だ。

「ご飯どうする?久しぶりに一緒に作ったりしない!?」にこにこしながら言う彼女が少し鬱陶しいかった。

「あー、いらないや。お腹いっぱいなんだ。」適当に返事をして、俺はまた本を読み始めた。

全く有名でもない、そこら辺にあったただの小説。

著者の「涼花 莉奈」は今は亡き俺の祖母だ。

この小説は、祖母が使っていたカバンの中から出てきたものだ。

「霧人、夢を諦めないで叶えてね

私は応援しているわ貴方が成功することを」

と書かれた紙を添えて。

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霞草 0i @pin_0i

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