第4話
最寄り駅につくと先に立ってる女の子がいる。
僕の浮気相手だ。
「早かったじゃん」
そう言うとさっそく腕を組み始める。
この子の方が成実より積極的だ。
それもそのはず。そもそもの始まりはこの子からアピールを受けて付き合っているのだから。
「そーいえば慧は、、」
「ねえ、名前は外では呼ばない約束だよ」
こーいう関係になると決めた時にした約束。
たまに忘れるんだよな。
「ごめんごめん。ころ君。」
ころ君はどこかのゆるキャラに僕が似てたからつけたあだ名。
浮気するならこのくらい徹底しないと。
「ころ君は最近彼女と会ってる?」
ド直球な質問。
まあ最近というかさっきまで会ってたけど。
それを素直に言うと怒る。くせに聞いてくる。
この子のそういうとこだけめんどくさい。
「どうだろ。いつ会ったかな。」
うまい具合にはぐらかすしか方法がない。
浮気相手ってポジションだけど縛りみたいなものがある。それが嫌なとこでありいいとこでもある。
背徳感ってやつ。
「ふーん。そっか。」
不満なのか満悦なのか分からないその表情。
何度も見てその度に自分の言葉の答え合わせ。
本当にゲームみたいだ。
「じゃあさ、今度の旅行は行ける?」
「それは行く。箱根だよね?」
今日会う気になったのもその旅行の話をしたいから。
つくづく自分が最低だなって自覚してるよ。
「ピロン!」
また携帯が鳴った。
今日はずっと忙しいままだな。
影を落とす どぅーさん @dosan0908
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。影を落とすの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます