第579話 強い能力
「え?うおっ!」
アナウンスに驚いている間に攻撃が来て、さらに驚いてしまった。持ち前の反射神経で何とか咄嗟に避けることができた。
(もしかして、悪魔化が解除!…はされてないな)
思い返してみると、派生してとアナウンスで言っていた気がする。派生しているのなら無くなってはいないだろう。
だが、この状況で新たな一手は普通に有難い。
「天使化」
早速天使化を行おうとする。しかし、天使化は使えなかった。自分でも使うのが拒否されたのが分かる。
(精霊化と獣化ができないからか!)
よくよく考えてみると、派生元の3つのうち2つが使えないのに、派生先の天使化が使えるわけが無い。
「何かやろうとしたな」
俺が何かをしようとしたのが炎悪魔にバレていたようだ。
「その通りだ。神雷エンチャント」
俺は元から神雷エンチャントをしようとしていたというような感じで自然に神雷エンチャントを追加した。
(まあ、やれることが変わらなっただけか)
新しく取得した天使化が使えないのはショックだったが、俺の勝ち筋が変わった訳では無い。勝ち筋は隙をついた攻撃で炎が燃え広がる前に炎悪魔の能力を封じることだけ。
「しっ!」
「よっ…」
俺は上がったステータスで前よりも余裕を持って攻撃を避けれるようになった。
「反射神経は良いようだが、避けてるだけでは勝てないぞ!」
炎悪魔がそう挑発しているが、何も考えずにそれに乗ったら負けるだろう。現に炎悪魔は意図してであろう隙を何度も見せている。
「あ」
ここで俺は考えを変えた。隙を付いて一撃で終わらせるのではなく、一撃で終わらなくても少しの間は耐えられて、最終的に隙を作り出して攻撃できればいいのだ。
「回復エンチャント」
俺は雷電エンチャントを回復エンチャントに変更した。
「ふっ!」
そして、炎の刀を振り上げた時に空いた脇腹に斬りかかった。
「し!」
炎悪魔は待ってましたとばかりに空いている腕にもう1本刀を作って斬りかかってくる。やはり、意図して隙を作っていたのだな。俺はそれを光皓翠で弾いた。
「うっ…!」
それに驚いたような表情をしたが、炎悪魔は慌てて振り上げた刀を脇腹に持っていった。だが、受け流す暇などなく、俺の振った闇皓翠をまともに受けて吹っ飛んだ。ただ、ぶつけた時の感触が弱ったから横に飛んで衝撃を殺したな。
「雷縮」
俺はそれを追ってすぐに移動した。その時にチラッと剣を見たが、どちらもまだ触れた場所が燃えているだけだった。どうやら、一瞬触れただけだと燃え広がる速度は遅いようだ。とはいえ、徐々に炎は広がっているから早く能力を封じないとな。
「はあっ!」
「ぐっ!」
まだ立ち上がる前の炎悪魔に上から叩き付けるように2本の剣を振る。炎悪魔は下から両手で握った1本の刀を振り上げて斬られないように抑えた。どうやら、2本目の刀は消したようだな。
「「おおぉぉぉ!!」」
俺のパワーの方が炎悪魔後からよりもやや弱かったのか、上から振り下ろしているのにも関わらず、刀を押し切れなかった。すぐに炎は燃え広がり、俺の腕を伝って身体中に広がった。しかし、回復エンチャントのおかげで少しなら耐えられそうだ。そして、俺は武士道何てものを持っている訳では無い。
「ふっ!」
「あがっ」
俺は炎悪魔の顎を蹴り上げた。ただ、刀を押えていたので、そこまで強く蹴り上げられなかった。だが、不意をついた攻撃が綺麗に決まったのだ。
「だあっ!」
「ぎっ…!」
炎で作られた刀は消え、俺の剣は炎悪魔の首筋に当たり、炎悪魔は地面に叩き付けられた。
「ふぅ…」
刃は落としてあるし、ブリジアの時のように引いたりしていないので、炎悪魔の体が両断されることは無かった。
全身が火傷してヒリヒリするが、重度の火傷になった訳では無いだろう。ただ、数秒でこれなのだからこれが後数分続いていたら本当に危なかったな。この能力はかなり強いのでシャナも欲しがりそうだな。
「バトルロイヤル終わり」
炎悪魔が立ち上がることなく気絶していたので、ここで俺のバトルロイヤルも終了した。
「ハイパーヒール!」
そして、急いで駆け寄ってきたソフィによって回復魔法をかけられた。
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