第421話 和解?

「まさか僕が負けるとは思わなかったよ。惜しかったな」


小さな破片から元の姿に戻ったイムはそう言った。本当にこいつはどういう身体の仕組みをしてるんだ?


「かはっ…」


「ソフィ!」


イムが話し終えて数秒後にソフィが血を吐いて地面に手と膝をついた。


「これは僕が負けた腹いせにしたことじゃないからね。元々時間経過でこうなってたんだよ」


イムはそう言いながらソフィの元まで歩いて行った。そして、ソフィの口に手を置いた。


「出ておいで」


イムがそう言って少し経ってからソフィから離れた。すると、青白くなったソフィの顔色は徐々に元通りへと戻っていった。


「あの塊が頬を掠った時に僕の破片を身体の中に入れて置いたんだよ。それを身体の中に早く回らせようと接近戦にした結果、負けちゃったけどね」


イムがソフィに接近戦を挑んだ理由は身体を動かせて血の巡りを良くして、早く身体中に破片を行き届けるためだったそうだ。

ちなみに、今ソフィの口に手を置いたのは、身体に入ったイムの破片を外に出すためだそうだ。


「僕が殺さずに無力化できるにはこれくらいしか方法が無いからね。あ、これは負け惜しみじゃないよ?ちゃんと負けたのは認めてるよ。うん…認めてる」


本気で殺すつもりならどう戦うのか気になったが、実践しようか?とか言われそうなので聞くのはやめておこう…。

ちなみに、破片も数時間でイムの意識から離れるため、時間経過で何ともなくなって勝手に老廃物と共に外に出てくるらしい。ただ、イムの意思が宿っている間は苦しめようと動き続けるらしい。ただ、ちゃんとルール通り殺すつもりはなかったようだ。


「負けたことだし、今回の滞在中はソフィアの言うことに従うよ。あ、死ねとかそういうのは聞かないからね?あくまで聞くのは僕の行動だけね」


「ええ…。それで構いませんよ」


既に立ち上がっていたソフィはそう答えた。



「ただ、ダーリンを鍛えるのはさせてほしいかな。もちろん、その時にソフィアが居ても構わないから。もし、不審な行動があったら攻撃してもいいし」


「それなら許可します」


「ありがと」


結局、模擬戦をやらせてよかっただろう。内心お互いのことをどう思っているかは分からないが、表面上だけだとしても和解ができた。


「それで俺の何を鍛えるっていうんだ?」


「もちろん雷だよ。まず、その威力を知りたいから、剣を振って雷の刃を放つあれを僕にやってくれないかな?」


イムの提案でまずは俺の雷をイムに食らわせることになった。



(ステータス)


俺はイムから少し離れている間に心の中でそう唱えた。




【名前】 ゼロス・アドルフォ

【種族】  雷獣魔精人王 

【年齢】  13  

【レベル】 38  (8UP)


【HP】   8887/8887 (1325UP)

【MP】   8887/8887 (1325UP)


【攻撃】  4412  (658UP)

【防御】  3039  (398UP)

【敏捷】  5284  (1534UP)

【魔攻】  4412  (999UP)

【魔防】  3039  (398UP)

【知力】  3004  (657UP)


【スキル】

・算術Lv.6・礼儀作法Lv.3・騎乗Lv.1

・解体Lv.3・投擲Lv.3・隠密Lv.9・忍び足Lv.6

・夜目Lv.9・殺気Lv.7・挑発Lv.5

・火魔法Lv.6・風魔法Lv.5・水魔法Lv.4

・土魔法Lv.2・回復魔法Lv.9・詠唱省略Lv.5

・無詠唱Lv.5・火耐性Lv.5・風耐性Lv.4

・水耐性Lv.4・土耐性Lv.4・氷耐性Lv.8

・打撃強耐性Lv.1・斬撃耐性Lv.6


【ユニークスキル】

・危機高速感知Lv.6・剣法Lv.6・武法Lv.5

・読心法Lv.3・氷魔法Lv.4・光魔法Lv.3

・精霊使いLv.4・精霊化Lv.5・悪魔魔法Lv.3

・悪魔化Lv.6・獣化Lv.8・雷電魔法Lv.6(1UP)

・魔力高速操作Lv.3・魔力高速感知Lv.3

・雷吸引Lv.2・雷電纏Lv.4・雷詠唱無効Lv.2

・完全偽装Lv.2・エンチャント

・ダブルエンチャント・トリプルエンチャント

・クアドラプルエンチャント

・ハーフエンチャント・魔力斬りLv.3・雷縮Lv.5

・多重思考Lv.5(1UP)


【エクストラスキル】

・【称号】収集・神速反射Lv.3・神雷Lv.2



【選択称号】(55/55)

・転生者

・早熟

・晩熟

・獣鎧

・元神童

・下剋上

・二刀流

・避雷針

・九死一生

・一騎当千

・百戦錬磨

・前代未聞

・霹靂神(New)

・霹靂閃電

・電光石火

・疾風迅雷

・紫電清霜

・電光雷光

・翠色冷光

・紫電一閃

・雷轟雷撃

・雷霆万鈞

・雷騰雲奔

・電光雷轟

・魑魅魍魎

・妖怪変化

・俯瞰の目

・海の漢(New)

・希少魔法使用者

・複合魔法

・合体魔法

・最上位精霊使い

・精霊に愛されている者

・精霊をその身に宿す者

・精霊を2人その身に宿す者

・獣と人間の狭間

・憑かれた者

・半悪魔

・三属の王使い

・王の支配者

・勇者の超越者

・真なる勇者

・救済者

・シスコン

・シスコンを超えし者

・魔族キラー

・ドラゴンスレイヤー

・魔王に目をつけられた者[ロック(呪)]

・魔王の伴侶(仮)[ロック(呪)]

・雷の種族

・新たなる種族

・複数の種族を併せ持つ者

・神スキル取得者

・神スキル複数取得者

・天使


【除外称号】

・ゴブリンキラー・ウルフキラー・虫の天敵

・オークの天敵・以心伝心・不眠不休

・三度目の正直・死亡フラグ一級建築士・縦横無尽

・一撃必殺・へたれ・釣り職人(New)

・ヌシ釣り(New)



あのクラーケンを倒したことでレベルが8つも上がった。ちなみに、もう少しで14歳になる。

ただ、【敏捷】と【魔攻】のステータスが他よりも群を抜いて上がった理由はレベルアップだけでは無い。もちろん、釣りが上手くなる【釣り職人】でも、大きい魚が釣れやすくなる【ヌシ釣り】の効果でもない。



【霹靂神】

・雷の神に等しくなった者へと贈られる称号

[効果]

ステータスの【敏捷】が1.2倍

ステータスの【魔攻】が1.1倍

ステータスの【知力】が1.1倍

雷系のスキルの威力2倍

雷系のスキルのMP消費1/2倍

雷系のスキルの身体の負担1/2倍

雷電魔法の進化解放



気付かなかったが、どうやら【知力】も上がっていたようだ。

ちなみに、神雷という神が使う雷というスキルを取得しているが、もちろん俺自体が雷の神に等しくなった訳では無い。これは【称号】収集のスキルによって獲得した称号だ。



「多分ステータスが上がったのはおまけだよな…」


つい俺がボソッとそう言ってしまうほど、この称号ステータス上昇以外の効果が凄すぎる。威力2倍、MP消費1/2倍、身体の負担1/2倍が異常過ぎる。通りであの霹靂神と名付けた魔法の威力が尋常ではなかったわけだ。


「でも、メインは1番の下なんだろうな…」


雷電魔法の進化解放。これが恐らくこの称号の効果で1番の目玉なのだろう。

俺は進化する前では火、水、風、雷、氷の魔法のスキルレベルがMAXになっていた。進化したせいでスキルレベル1に戻ったけど…。

しかし、それらの魔法のほとんどは進化することができなかった。唯一俺が進化した影響で一緒に進化したのは雷魔法だけだ。だから、恐らく雷電魔法のスキルレベルがMAXになったとしてもそれ以上には進化しなかったのだろう。

だが、それは今までではの話だ。今回【霹靂神】を獲得したことによって雷電魔法にも更なる可能性が現れたのだ。



「さてっと…」


自分のステータスを見ながらの自己分析は終わった。イムからもある程度離れ終えた。


「いつでもいいよ!」


「分かった!」


俺はイムへと放つ雷刃の準備を始めた。


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