勇者編

第251話 最後の自由時間

「はぁっ!」


「ぐっ…」


ベクアは俺の回し蹴りを腕をクロスしてガードした。さらに少し後ろに飛んで衝撃も軽減した。でも、今回に限って後ろに飛んだのは悪手だ。



「あっ…やべ!」


「来い!」


「うおっ!」


何度も俺と模擬戦をしているベクアは後ろに飛んだ瞬間にしまった!というような顔をした。多分癖でつい後ろに飛んでしまったのだろう。そんなベクアを俺は妖力で引き寄せながら地面に叩き付けた。


「おっ…」


「俺の勝ちだな?」


「ちぇっ…参ったよ!」


俺は地面に這いつくばっているベクアに手を貸して起き上がらせた。

もう園内戦から1ヶ月弱が経過した。それまでの間でステータスもかなり変わってきた。今のステータスはこんな感じだ。




【名前】 ゼロス・アドルフォ

【種族】  雷獣魔精人王 

【年齢】  13  

【レベル】 1


【HP】   2760/2760 

【MP】   2760/2760 


【攻撃】  1370  

【防御】  1196  

【敏捷】  1531  

【魔攻】  1246  

【魔防】  1196  

【知力】  958  


【スキル】

・算術Lv.6・礼儀作法Lv.3・騎乗Lv.1・解体Lv.1

・投擲Lv.1・隠密Lv.7(4UP)

・忍び足Lv.7(4UP)・夜目Lv.7(4UP)

・殺気Lv.5(3UP)・挑発Lv.5(3UP)

・火魔法Lv.6(3UP)・風魔法Lv.5(4UP)

・水魔法Lv.4(3UP)・土魔法Lv.2(1UP)

・回復魔法Lv.8(5UP)・詠唱省略Lv.5(4UP)

・無詠唱Lv.5(4UP)・火耐性Lv.5(3UP)

・風耐性Lv.4(3UP)・水耐性Lv.4(3UP)

・土耐性Lv.4(3UP)・氷耐性Lv.8(5UP)

・打撃耐性Lv.7(3UP)・斬撃耐性Lv.2(New)


【ユニークスキル】

・危機高速感知Lv.4(3UP)・剣法Lv.2(1UP)

・武法Lv.2(1UP)・読心法Lv.2(1UP)

・氷魔法Lv.4(2UP)・光魔法Lv.3(2UP)

・精霊使いLv.2(1UP)精霊化Lv.2(New)

・悪魔魔法Lv.3(New)・悪魔化Lv.3(New)

・獣化Lv.3(New)・雷電魔法Lv.4(2UP)

・魔力高速操作Lv.3(2UP)

・魔力高速感知Lv.3(2UP)・雷吸引Lv.1

・雷電纏Lv.3(1UP)・雷詠唱無効Lv.2(1UP)

・完全偽装Lv.2(1UP)・エンチャント

・ダブルエンチャント・トリプルエンチャント

・ハーフエンチャント・魔力斬りLv.2(1UP)

・雷縮Lv.2(1UP)・多重思考Lv.2(1UP)



【エクストラスキル】

・【称号】収集・神速反射Lv.2(1UP)・神雷Lv.1


【選択称号】(50/50)

・転生者

・早熟

・晩熟

・獣鎧

・元神童

・下剋上

・二刀流

・避雷針

・九死一生

・一騎当千

・百戦錬磨

・前代未聞

・以心伝心

・不眠不休

・霹靂閃電

・電光石火

・疾風迅雷

・紫電清霜

・電光雷光

・翠色冷光

・紫電一閃

・雷轟雷撃

・雷霆万鈞

・雷騰雲奔

・電光雷轟

・俯瞰の目

・希少魔法使用者

・複合魔法

・合体魔法

・最上位精霊使い

・精霊に愛されている者

・精霊をその身に宿す者

・精霊を2人その身に宿す者

・獣と人間の狭間(New)

・憑かれた者(New)

・半悪魔(New)

・三属の王使い(New)

・王の支配者(New)

・シスコン

・シスコンを超えし者

・へたれ

・ドラゴンスレイヤー

・魔王に目をつけられた者[ロック(呪)]

・魔王の伴侶(仮)[ロック(呪)]

・雷の種族

・新たなる種族

・複数の種族を併せ持つ者

・神スキル取得者

・神スキル複数取得者

・天使(New)


【除外称号】

・ゴブリンキラー・ウルフキラー・虫の天敵

・オークの天敵・三度目の正直

・死亡フラグ一級建築士・魑魅魍魎(New)

・妖怪変化(New)





相変わらずレベルは上がっていない。一応エリーラと一緒に魔物討伐には行っているのだけど…。


そしてやはり、スキル、ユニークスキル、エクストラスキルの順にスキルレベルが上がりやすい気がする。俺が1番使っているであろう神速反射のスキルレベルも1しか上がっていない。

さらに、ユニークスキルの中でも、一度進化したユニークスキルのスキルレベル上がりにくい気する。精霊使いのスキルレベルがまだ2なのに、悪魔魔法や悪魔化などはもうレベルが3になっている。





「ゼロスに獣化のみでも勝てなくなってきたぜ…」


「まだベクアが勝ち越しているんだからいいだろ」


この1ヶ月弱でベクアと100回は模擬戦をしたと思う。そのせいか獣化もかなり使いこなせるようになってきた。今では尻尾も2本まではほとんどスタミナ消費も無しで出せるようになった。そして一応4本まで出せるようにもなった。しかし、4本まで出したら回復エンチャント無しでは3分も持たない。

最近はベクアとの獣化縛りでも3回に2回は勝てるようになってきた。もちろんそこまで上達するまでには何十回と負け続けたけど。そしてこんなに勝てるようになったのは獣化が上達しただけでは無い。



「ゼロス、その皮の調子はどうだ?」


「全く問題ない!かなり助かってる!」


「そうか!」


グラデンが剣と鞘を固定するための丈夫な皮を作ってくれたのだ。そのおかげで俺は翠闇と翠光を使って模擬戦をできるようになった。今まではそこらに売っているような刃の潰した剣ではベクアの攻撃を受け止められないので、模擬戦で剣は使っていなかった。しかし、翠闇らの剣も鞘もそう簡単には傷すら付かない。そして鞘に入ったままなので、体が真っ二つとかになる心配もない。




「じゃあ次は私と模擬戦するわよ」


「わかった」


そして次はエリーラとの精霊縛りでの模擬戦だ。それが終わると、今度はソフィとの悪魔縛りでの模擬戦が待っている。その後は再びベクアとの模擬戦だ。俺はこのループで模擬戦をしている。そのループにはシャナやクラウディアとの模擬戦も入ってくる。

エリーラとの模擬戦は全て俺が勝っている。エリーラとは契約している精霊の数が違うし、俺は精霊王とも契約している。エリーラとはその差が大きいからこちらとしては負ける訳にはいかない。

また、ソフィとの模擬戦はほぼ互角だ。ソフィも2人の悪魔と契約しているので負けても仕方が無い…と思いたいところだが、俺は悪魔王と契約している。だからせめて勝ち越してなければならないんだけど、負け越している。悪魔縛りのおかげでソフィの魔力は限られるようになるとはいえ、悪魔縛りはきつい。





「じゃあ今日でこんなに模擬戦をやれるのは終わりだな」


「そうですね」


今日はいつも小屋にこもって何かを作り続けているグラデンが練習場にずっと居た理由もそれにある。今日でこんな自由に特訓するのは終わりである。

なぜなら予定では、明日から対校戦に出場する各国の選手が到着するからだ。別に他の国から選手が来るからと言って俺達が特にすることは無い。しかし、俺達は対校戦に備えた特訓をしなくてはならなくなる。今回はサバイバル戦がメインだからチームワークも去年以上に必要になってくる。俺達はお互いに戦いあってはいるが、チームとして戦ったことは無い。だからその特訓が必要なのだ。



「俺はゼロスと一緒に戦うのも楽しみだぜ」


「私もそれなりには楽しみにしてるわよ」


「俺も楽しみだよ」


ベクアやエリーラも言った通り、俺も明日から憂鬱だとか思っている訳では無い。むしろ今までと全く違うことをするという楽しみがあるくらいだ。だけど少し心配することもある。



「…ソフィも明日から楽しみ?」


「はい。お兄ちゃんと一緒に戦うのは楽しみです」


「そ、そっか…」


「はい!」



心配事とはソフィが他の人と共にちゃんと戦えるかどうかということだ。正直、ベクアやエリーラとの相性はあまり良くない気がする。大丈夫なのだろうか?



「じゃあゼロス、また明日な!」


「ああ、またな!」


そんな少しの不安を胸に抱いたまま最後の自由時間が終わった。




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