第81話 ダブルエンチャント

「よしっ!試すか!」


「頑張ってください」


朝になったら昨日の試合疲れなど全く感じなかった。なので朝からダブルエンチャントを試すことにした。他の同級生が学園に行って勉強しているのに俺は家にいていいなんてとても気分がいい。しかもそれが仮病とかではなく合法だなんて最高だ。

そしてエンチャントを全通り試していった。


「終わりましたか?」


「いやあと少し」


結構ダブルエンチャントを試してから一休みするとソフィから声をかけられた。もう精霊魔法を含めない全通り試し終えた。試していく中で火魔法と水魔法とかの相性の良くなさそうな魔法のダブルエンチャントは逆に効果を下げるということがわかった。そしてなによりその最中で数個の称号を獲得することができた。やはりダブルエンチャントは試してよかった。そしてこれから精霊魔法でもダブルエンチャントを試そうと思う。


『お前…頭大丈夫か?』


『雷魔法なら相性いいだろうしいけるよね?』


『ゼロくん…さすがにやめておいた方が…』


「雷エンチャント」

「精霊ジールエンチャント」


精霊達には止められたができるならやってみたい。それにできたら絶対に称号も獲得できる。


「おっが…はぁ…はぁ…」


しかしこれは今の俺の身の丈にあっていないのはわかっていたのでできた瞬間にすぐに解除した。一瞬ではあったがこの2つをダブルエンチャントした瞬間は全能感に包まれた。


『ピコーン!』

『紫電一閃を獲得しました』


「よしっ!」


狙い通り称号を獲得することができた。しかしこの2つでのダブルエンチャントを使いこなせるようになるのはだいぶ先だろう。今の一瞬で俺の魔力はほぼ空になった。


「よしっ!」


そして俺は全通り試した事だしステータスを確認することにした。


(ステータス)


そう心の中で唱えると俺の目の前に自分のステータスが現れた。これは周りから他者が見ようとしても見ることは出来ない。そのため安心して何がどのくらい変わったかを楽しみにしながら見た。


「ふぁっ!!?」


「どうしました?」


「い、い、いや!な、な、なんでもないんだよ!」


「?」


俺は自分のステータスを見るとつい驚いて声を出してしまった。








【名前】 ゼロス・アドルフォ

【種族】  人族

【年齢】  12

【レベル】 45  


【HP】   836/836  (356UP)

【MP】    7/836  (356UP)


【攻撃】  411  (177UP)

【防御】  250  (43UP)

【敏捷】  493  (236UP)

【魔攻】  340  (106UP)

【魔防】  234  (41UP)

【知力】  283  (49UP)


【スキル】

・算術Lv.7・礼儀作法Lv.6・騎乗Lv.3・解体Lv.6

・危機感知Lv.7・剣術Lv.8・武術Lv.7・投擲Lv.3

・隠密Lv.6・忍び足Lv.6・夜目Lv.4・挑発Lv.5

・火魔法Lv.7・風魔法Lv.7・水魔法Lv.7・土魔法Lv.3

・回復魔法Lv.2・魔力操作Lv.MAX

・魔力精密操作Lv.1(New)

・魔力感知Lv.1(New)・詠唱省略Lv.5

・火耐性Lv.4・風耐性Lv.4・水耐性Lv.4

・土耐性Lv.4・雷耐性Lv.3・氷耐性Lv.3

・打撃耐性Lv.2・読心術Lv.4


【ユニークスキル】

・雷魔法Lv.8・氷魔法Lv.5 ・精霊魔法Lv.1

・光魔法Lv.1(New)・高速反射Lv.8

・偽装Lv.MAX・エンチャント

・ダブルエンチャント(New)

・魔法斬りLv.6・縮地Lv.4・並行思考Lv.4


【エクストラスキル】

・【称号】収集


【称号】

・転生者

・希少魔法使用者

・早熟

・晩熟

・元神童

・九死一生

・一騎当千

・百戦錬磨

・前代未聞

・以心伝心

・不眠不休

・霹靂閃電

・電光石火(New)

・疾風迅雷(New)

・紫電清霜(New)

・電光雷光(New)

・翠色冷光(New)

・紫電一閃(New)

・俯瞰の目

・下剋上

・二刀流

・最上位精霊使い

・精霊王使い

・精霊に愛されている者

・精霊をその身に宿す者(New)

・シスコン

・虫の天敵

・ゴブリンキラー

・ウルフキラー

・オークキラー





レベルが上がっていないのにステータスの伸びが凄すぎる。敏捷なんて倍近く伸びている。どうやら昨日と今日で獲得した称号の全てがステータスを上昇させる効果があるみたいだ。精霊をその身に宿す者の効果は精霊に好かれやすくなるのと精霊魔法の消費魔力が減ることらしい。問題は電光石火から紫電一閃までの6つだ。その6つの称号の獲得したエンチャントと効果を纏めるとこうなる。



【電光石火】

・雷魔法と火魔法のダブルエンチャントで獲得

[効果]攻撃、敏捷1.1倍


【疾風迅雷】

・雷魔法と風魔法のダブルエンチャントで獲得

[効果]攻撃、敏捷1.1倍


【紫電清霜】

・雷魔法と氷魔法のダブルエンチャントで獲得

[効果]HP、MP、攻撃、防御、敏捷、魔攻、魔防、知力1.1倍


【雷光電光】

・雷魔法と光魔法のダブルエンチャントで獲得

[効果]HP、MP、攻撃、敏捷1.2倍


【翠色冷光】

・氷魔法と光魔法のダブルエンチャントで獲得

[効果]HP、MP、防御、魔攻、魔防、知力1.1倍


【紫電一閃】

・雷魔法と精霊魔法のダブルエンチャントで獲得

[効果]HP、MP、攻撃、敏捷、魔攻1.2倍



どれも効果が凄い。霹靂閃電も含めて元のステータスから倍率を纏めるとこうなる。


【HP】=約1.74倍

【MP】=約1.74倍

【攻撃】=約1.76倍

【防御】=1.21倍

【敏捷】=約2.1倍

【魔攻】=約1.45倍

【魔防】=1.21倍

【知力】=1.21倍


特に敏捷の倍率が凄い。倍以上になっている。1回のレベルアップで21も敏捷が上がると考えるとやばい。それにしてもやはり獲得した称号は雷系が多い。翠色冷光以外は全部雷系だ。やはり俺は雷系統が1番得意らしい。このステータスの伸びを誰かに自慢したくなってくるがこんなに称号を獲得できるのは普通はありえないので誰にも言えないのがとても残念だ…。

そしてついに称号が30個になってしまった。次から新しく称号を獲得したら何かを外さないといけない。今のところ外す候補はキラー系の称号だ。これは常時発動する訳でもないので、その系統の強い魔物と遭遇した時にだけつければいい。

でもこれだけステータスが上がれば留学生達に勝てるだろう!あっ…だけど確か他種族は人間と違ってレベルアップで均等にステータスが10上がるんじゃなく、その種族の得意分野が大きく伸びて苦手分野があまり伸びないらしい。驕りは良くない。もっと謙虚に行こう。そしてステータスが一気に上がったので感覚が今までとは変わってくるだろう。移動までのこの2週間で完璧の状態に仕上げなくてはいけない。



『2人とも…特訓お願いしていい?』


『ふふ!任せろ!』


『ユグも頑張るよ!』


『よろしく!』


そして精霊達を出して早速特訓をしてもらった。


「結局特訓するんですね…」


ソフィに呆れられている気がするが気にしない!気にしたら負けだ!


「おっら!!」


「ぐはっ……!」


「お前の成長はこんなもんか!」


「まだまだ!!」


「ふぁいとー!」


ジールに腹を殴られた…。やはりこの2人と特訓すると自分の驕りが打ち砕かれるのでちょうど今に最適だ。ただ欠点としては自信も一緒に打ち砕かれることだ。



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