第55話 初依頼2

「ふぅ…」


「多いですね」


「ん」


最初の2体の遭遇してから3時間ほど経ったが合計で18体も狩っている。10分に1体ペースのため少し多い気がする。


「討伐依頼が出るだけのことはあるね」


まぁオークが大量にいなければ討伐依頼なんてあまりでないのでこんなもんだろう。


「まだまだ時間ありますがどうしますか?」


帰る時間も考えたとしてもまだ12時にもなっていないのであと2時間以上余裕がある。


「今から少し休憩して無理ない程度に狩っていくって感じでいいんじゃない?」


「そうですね」


「ん」


そしてウォレスさん達と買った日持ちする干し肉や硬いパンなどを食べてさらに森の奥に進んだ。



「よしっ!そろそろ帰ろう」


「そうですね」


「ん」


結構奥まで来たので帰る時間も考えて早めに終わることにした。休憩してから2時間弱でさらにオークを15体狩ることができた。今日だけで合計33体オークを狩った。シャナが1辺が10メートルの容量のマジックリングを持っていたおかげで全てのオークを持って帰ることができた。ちなみにマジックリングはマジックポーチの指輪版だ。そっちの方が便利だが俺とソフィは予算的にポーチの方を買った。そしてオークは最低5体で上限はないと依頼書に書いてあったが33体も買い取ってくれるか今になって不安になってきた。



「シャナ、あんまり魔物に遭遇しないように帰れる?」


「ん」


「ならお願い」


(こくっ)


そして帰りはあまり魔物に会わないで帰ることができた。



「依頼完了の報告です」


「はい。でしたらギルドカードの提示をお願いします」


そしてギルドの受付に依頼完了の報告を行った。そのために俺たち3人のギルドカードを受付に提示した。


「合計で33体…さっ!んっ…!33体ですね。依頼完了とします」


33体という数に驚いて大声を出そうとしたがさすがはプロだ。すぐに冷静になって大声を出さなかった。

そしてギルドカードには依頼の魔物の討伐数が記録されるらしい。そのため魔物の死体を買い取って討伐したように見せかけることはできない。ちなみに依頼を受けた時だけ記録されるのでそれ以外にいくら魔物を討伐しようが記録はされない。


「解体はお済みですか?」


「いいえ。まだです」


「でしたら解体所をお使いください」


「はい。ありがとうございます」


「そして討伐依頼の報酬の銀貨43枚です。ご確認ください」


「ありがとうございました」


今回の報酬は最初の5体だけは1体につき銀貨3枚、それ以降は1体につき銀貨1枚となっていた。


「じゃあ解体所に行こうか」


「はい」


「ん」


そして今度は解体所に向かった。



「解体お願いします」


「おうよ!何をどのくらいだ!」


「オークを33体」


「そりゃあ!すげぇぜ!」


「ここに出していいですか?」


「もちろんだぜ!」


そして俺たちはオークを33体その場に出した。


「お前ら!綺麗に狩れてるじゃねーか!」


一応売ることを考えて綺麗に狩るように意識はしていた。


「最近の奴らはよー!殺せればいいとばかりにぐちゃぐちゃにしやがってよ!」


そしてそこから少しの間、解体屋の愚痴に付き合うことになった。


「何体か持ち帰るか?」


「いえ」


「そうか!」


オークなら前に持ち帰ったことがあるので次に持ち帰るとしたらもっとランクが高い魔物がいい。


「このオークは1体銀貨2枚で買い取ってやる」


「ありがとうございます!」


そして俺たちは銀貨66枚をさらに貰った。


「銀貨どう分けよっか?」


ギルドの酒場のようなところで銀貨109枚をどうやって分けるかについて話し合った。


「でしたら1人あたり4分の1ずつ分けて残りはパーティ資金として使いませんか?」


「パーティ資金?」


詳しく聞くと残ったお金は貯めておいてパーティで何か必要なものができた時や誰かが何らかの怪我をした時のために備えるということだった。


「俺はソフィの案でいいと思う」


「ん」


「ならそうしましょう」


そして何故かそのパーティ資金は俺が代表として預かっておくことになった。


「じゃあまた明日、同じ時間に」


「さようなら」


「ん」


明日の闇の日も冒険者ギルドで依頼を受ける予定だ。明日はどんな依頼を受けようか?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る