第54話 初依頼1

「今日の授業はここまで」


「「「ありがとうございました」」」


今週の授業が全て終わった。今週の授業は学園内紹介やサークル紹介や簡単な学園の歴史とかの退屈な授業ばかりだった。来週からは魔法や武器などの授業もあるので今週ほど退屈にはならないだろう。そしてクラウディアさんに攻撃魔法を教えるのは学園の練習場が使えるようになってからということになった。魔法の練習場は魔法の授業が始まったら使っていいということになっている。


「やっぱりサークル入らないよね?」


「そうですね」


(こくっ)


サークル見学では色々見たがあまり引かれるようなものはなかった。ジャドソン兄様が所属している魔法研究サークルにも誘われたが断った。活動内容は新しい魔法を作るという少し楽しそうだった。これには少し惹かれた。


「やはり冒険者をやるとなるとサークル活動は難しいですね」


「そうだね」


サークル活動は休みの光、闇の日も活動することが多いので冒険者をやるとなると難しくなってくる。そのため魔法研究サークルも断った。


「じゃあまた明日、ギルド前で」


「シャイナさようなら」


「んっ」


そしてついに明日は初めて冒険者として魔物を狩りに行く。今から楽しみで仕方がない。




「おはよう」


「おはようございます」


「んっ」


そして朝にギルド前でシャナと合流して依頼ボードに依頼を見に行った。


「どれやろうか?」


「どれにしましょう?」


依頼ボードには依頼が大量に貼ってある。今は朝の6時である。ウォレスさん達に冒険者は大体いつも夜遅くまで酒を飲むので朝早くにギルドに行くと依頼も多く、空いてていいとアドバイスをもらっていた。ちなみにこの世界には時計が普通にある。前世で読んだ異世界系のラノベでは時計がないことが多かったがこの世界では一般家庭にも時計はある。


「あっこれとかどう?」


「いいですね」


「んっ」


俺が見つけたのはオークの討伐依頼である。オークなら昔にこの3人で何とか狩ったことがある。その時からどのくらい強くなったかを確かめるにもちょうどいい。さらに昔のように連携が取れるかも試すことができる。

そして俺はオークの討伐依頼書を剥がして受付のところまで持って行った。依頼を受ける時は剥がして持っていくと説明を受けた。


「これお願いします」


「はい。ギルドカードの提示をお願いします」


「はい」


そして受付の人が依頼を確認して依頼の受理を行ってくれる。


「受理しました。お気をつけて」


「ありがとうございます」


そして俺たち3人は依頼書に書いてあった森に向かった。そしてその森とは昔にオークを狩った森と同じ森だった。


「じゃあシャナ、探知お願い」


「ん」


そして少しするとシャナがある方向を指さしたのでそちらの方向に向かっていった。



「いた…」


途中で現れたゴブリンやウルフを何体か狩りながら進むとオークが2体現れた。


「じゃあ俺が2体の気を引くからそのうちに2人で1体ずつよろしく」


「はい」


「ん」


そして俺は飛び出してオークに向かっていった。


「「ブモォォ!!」」


「うるさい」


オークのそばで軽々と攻撃を躱していく。そして当たらないことにイラついてきたオークの攻撃はさらに大振りとなっていった。


「ウィンドスピア」


「ストーンスピア」


「「ブモォ……」」


2人が放った魔法は綺麗にオークの頭を捉えた。


「おつかれ」


「いえ」


「ん」


昔と違って一撃で仕留められるようになっている。


「じゃあ次に行こうか」


「はい」


「ん」


オークは最低5体という依頼なので最低でもあと3体は討伐しなければならない。なので倒したオークをマジックポーチに入れて次のオークを探しに向かった。


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