第38話 テンプレ?

ガヤガヤガヤ…


「賑やかだね」


冒険者ギルドの中には酒場もあるようで昼間なのに多くの人が酒を飲んでいる。ちなみにこの世界は16歳からお酒を飲んでいいことになっている。


「どうしました?」


「ギルド登録したいんですけど」


「え?あ、はい。わかりました」


受付?のような場所に行ってそう言うと一瞬、年齢大丈夫?みたいな顔をしたがすぐに元の営業スマイルに戻った。


「何か12歳以上がわかるものはありますか?」


「ならこれを」


そして俺たち三人は今日の学園受験の受験票を見せた。学園を受験するには12歳以上でなければいけないのでこれで大丈夫だろう。


「はい。確認が取れました。少々お待ちください」


そう言って受付の人は後ろに下がっていった。


「おいおい〜ここはお前みたいなガキが来るような場所じゃないぞ〜」


「あ゛?」


後ろから顔が真っ赤でおぼつかない足取りのいかにも酔っているという男が歩いてきた。


「お前!そう絡むなって!」


「うるせ〜な!」


そしてあまり酔ってなさそうな人が止めている。


「こんな貴族かなんだか知らねぇがここはガキどもがお遊び気分で来るような場所じゃねぇだろ!」


「それは一理ある」


「確かにな〜」


絡んできた男がそう言った。すると今度は同じ仲間なのか席についていた2人の男も立ち上がった。


「あ〜もう!お前ら知らないからな!!」


「何がだ!」


「お前ら恥かくぞ!」


「うるせ〜な!」


そしてさっきと同じ人が止めに入っている。苦労人だね…おつかれさま…


「おっ!いいぞ!やるのか!」


「どっちにかける!」


そして周りはそんな俺たちを見て盛り上がっている。いや…他の人も止めに入れよ…

そしてチラッと受付の人たちを見ると目を逸らして我々は関与しません。という態度をとっている。確かに下手に絡んでとばっちりきても嫌だもんね。


ガタッ…キーー…


「ん?」


そして扉が開き、新たに人が入ってきたようだ。まぁ関係ないか…


「よぉ…ボルド、この騒ぎはなんだ?」


「あ゛?今から調子に乗ってるガキに教育してやるところだ」


新たに入って来た冒険者が、最初に俺たちに絡んできた冒険者に後ろから肩に手を置いてそう聞いた。


「言い方を変えよう…俺のかわいい弟分に何しようとしてんだ?あ゛?」


「あ゛?げっ!ウォレス!いや!これは…」


そして横目で顔が見れるところまで前へ出てからそう聞くと真っ赤だった顔が嘘のように青くなっていった。


「よう!ゼロス!久しぶり!大きくなったな!」


「ウォレスさん!!」


新たに冒険者ギルドに入ってきたのはウォレスさん達パーティだった。


「ゼロスちゃん久しぶり」


「お久しぶりです」


そして足が子鹿のように震え出した酔っ払いを無視して俺たちのところに来た。


「ゼロスちゃん大きくなってる…」


「大きくもなりますよ…」


ショタコン?のティラさんが少し落ち込んでいる。俺は今は160センチはある。ショタの範囲からは抜けているだろう。


「ゼロスは守備範囲内じゃなくなったか?」


「大丈夫。15歳までなら守備範囲内」


「えーー…」


小さい子が好きというからショタコンと判断するには微妙だなと思ったが今の発言を聞いて完全にショタコンと断定した。


「お待たせしました。ランクアップ試験は行いますか?」


「ランクアップ試験?」


「説明します」


説明をしてもらうと、ランクアップ試験とは冒険者と模擬戦をしてそれを見ていたギルドの職員と模擬戦をした冒険者でどのくらいのランクが適正かを話し合って決めるというものだった。ちなみに冒険者のランクはFからSまである。ただ伝説級の魔物を倒したりするとSSランクなどになったりできるらしい。そしてランクアップ試験では最高でDランクから始めることができるようになるらしい。


「やるよね?」


「はい」


(こくっ)


2人に一応ランクアップ試験をやるか聞いたがやるとの事だった。


「やります」


「わかりました。では模擬戦相手は…」


「俺たちがやるよ」


「え!いいんですか?」


「おう」


「わかりました。では訓練場に移動してください」


受付の人とウォレスさんが話し合ってウォレスさん達が模擬戦相手をやってくれることになった。


「訓練場はこっちだぞ」


そしてウォレスさん達に訓練場まで案内してもらった。それにしてもまた試験か……

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