第6話 理由

「あなた!ゼロはよくわかってないみたいだから説明してあげて!」


「ああ!そうだな!」


父はそう言って俺を下ろしてくれた。


「まずアンドレイとジャドソンがゼロと同じ5歳の時のステータスを見てくれ」


そう言って長男アンドレイと次男ジャドソンの当時のステータスを見せてきた。



【名前】 アンドレイ・アドルフォ

【種族】  人族

【年齢】  5

【レベル】 1


【HP】   80/80

【MP】   10/10


【攻撃】  18

【防御】  18

【敏捷】  13

【魔攻】  7

【魔防】  7

【知力】  7


【スキル】

・剣術Lv.1




【名前】 ジャドソン・アドルフォ

【種族】  人族

【年齢】  5

【レベル】 1


【HP】   30/30

【MP】   40/40


【攻撃】  8

【防御】  8

【敏捷】  8

【魔攻】  10

【魔防】  10

【知力】  20



【スキル】

・算術Lv.5・礼儀作法Lv.3


【称号】

・頭脳明晰



「おおう…」


長男と次男なのにくっきり分かれているな…

長男は脳筋で次男は賢い。

長男は戦闘向きで次男は学者向き。



「そしてソフィと比べて自分のステータスがどう違うかわかるか?」


父にそう言われてもよくわかっていなかった。するとソフィからその答えが出てきた。


「みんなステータスに偏りがあるということですか?」


「そう!その通りだ!物理と魔法必ず偏りがあったのだ!」


確かに言われてみればそうだな。しかし偏りがあった方が器用貧乏にならずにすむ。


「まぁステータスは偏ってるのが普通だ。偏ってない方が圧倒的少数派だ。そしてゼロみたいに極端に綺麗に別れているのは相当珍しい」


なんかよくわからんがレアだと言われると嬉しいものだ。


「まだお前たちには我が家系のユニークスキルを教えていなかったよな?」


「「うん」」


ソフィと目を合わせて目線で会話をして知らないということで2人で頷いた。


「我が家系のユニークスキルはエンチャントだ!」


「エンチャント?」


「そうだ。自分自身に魔法を付与することだ」


詳しく聞くと火属性を付与すると攻撃が上がり、風属性で敏捷が上がり、土属性で防御が上がり、水属性で攻撃、防御、俊敏全てが少し上がるらしい。


「すごい…」


もしこれで俺の希少魔法の雷を付与したら…と思うとわくわくしてくる。


「だから物理と魔法の両方が均等に優れていると良かったんだね」


あれ?でもそれだとソフィはどうなる?もしかして取得できないのか?と思ってソフィの方を見てみた。


「ゼロ兄様!すごいね!」


そんなこと気にしてないかのような態度だった。


「ちなみに取得するのは意外と簡単でアンドレイはもうすでに取得しているぞ」


「してるのかい」


なんだ…妹を心配したが杞憂だったようだ。


「だがまだほとんど使いこなせていない…」


長男はステータスを見ると完璧に脳筋だからな…。魔法が関係しているエンチャントはあまり得意とは言えなさそうだ。


「だからゼロには特に厳しく行くからな!」


「お願いします!!」


「いい覚悟だ!」


ここでどんな訓練かも聞かずに了承したのを後悔することになるのにあまり時間はかからなかった。



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