漫画に恋は必要ですか?
クニエダ
プロローグ
漫画家になりたい。佐藤勝は部屋の天井を見て思った。大学四年生にもなると、学校に行く機会も少なくなり部屋にいる事が多くなる。それは別にいい。だって自分は部屋に籠るのが好きだし、何より趣味に費やす時間が増えて助かる。趣味はなんだって?それは漫画やアニメ観てタッタカターでネトモと話す事だ。もともと小さい頃からなにかとアニメや漫画を観て育った自分には、話し相手がずっと欲しかった。だけどなかなかそんな話を聞いてくれる友達ができず、遂にネットの世界に逃げた。幸いにもこの世界には自分と気の合う友達ができ、リアルでも何回も会って議論を交わすほどだった。そのうちに自分でも作品を作ってみたいと思うようになったが、自分が小学生の時に親から、
「お前には、絵を描く才能がない。こんなことに時間を使うなら勉強をしろ。」
といわれた事を思い出す。その時に小学生ながらに自分の未熟さを知った。自分には絵を描く才能がないのか。その時に挫折した筈だった。筈だったのに。最近になって時間がある時は、頭の片隅にいつもいつも何かを描きたい衝動に駆られるのだ。そんな時である。いつものように部屋でゴロゴロしながらタッタカターを眺めているとある漫画が流れてきた。ふと読んでみると、いままでに感じたことのないワクワクとドキドキが体を包み込んでいくのを感じた。気になって投稿者にDMを送ってしまうくらいに。自分でも驚いていたと思う。だって今まで作者に直接DMを送ったことがないオタク野郎が、唐突に、なんの脈絡もなく、
「あなたの漫画が好きです。自分を雇って貰えませんか。」
なんて言っちゃうんだから。
漫画に恋は必要ですか? クニエダ @Kunieda0103
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