第2話 婚約者との顔合わせ

リュカ

財前ざいぜん白夜びゃくやくんと碓氷うすいみことくんから来た。相手は、瑞希に白夜くんから申し込みがあって、祐希には尊くんから申し込みがあった。」

瑞希みき

「う、そ…」

【祐希とだなんて!!どうして!…財前に、碓氷は勝てないから…】

祐希ゆき

【!お姉様と白夜さんだなんて!!なぜ、私が尊様なんでしょうか!?お姉様には尊様と幸せになっていただきたかったのに!!!!どうして!!!!】

「承知しました。お父様、お話があります。」


瑞希は、その場に立ち尽くしていた。


リュカ

「あぁ、わかったよ。瑞希は先に戻っていなさい。瑞希には執事とメイドがいないから、用意したよ。私の執事の子供達だ。さきがけ穂崇ほだか月詠つくよみ鏡夜きょうや陽泉ようせん紅蘭こうらんだ。瑞希の部屋にいると思うから、仲良くするように。瑞希の好きなように使っていいからね。」

瑞希みき

「はい。」


瑞希が部屋から出て行った。


リュカ

「で、何かな?」

祐希ゆき

「お父様、婚約のことですが非公開にしていただきたいのです。私とお姉様が16歳となり、表と裏の後継者が正式に決まるまでは西園寺家、碓氷家、財前家だけとしていただきたいのです。」

リュカ

「わかった。元から、そうするつもりだよ。他にも何かあるのかな?」

祐希ゆき

静稀しずき達は、いつ帰ってくるのでしょうか?」

リュカ

「部屋にいるよ。ゆっくり、話すといい。」

祐希ゆき

「わかりましたわ。では、お父様失礼いたしますわ。」


祐希が部屋から出て行った。


リュカ

「これは、荒れるかな?どう思う?美優みゆ。」

美優みゆ

「あら、気づいてたのね。そうね。でも、財前グループからの婚約申し込みは断れないわ。しょうがないのよ。」


瑞希の部屋


瑞希みき

「穂崇さん、鏡夜さん、紅蘭さん。よろしくね。」

穂崇ほだか

「よろしくお願いいたします。瑞希様、なぜ泣きそうなお顔をされているのかうかがってもよろしいでしょうか?」

瑞希みき

「別にいいよ。えっと…」


瑞希は尊のことが好きなこと、そして祐希の今までの冷たい態度、祐希と尊が婚約者になってしまったことを話した。


紅蘭こうらん

「祐希様…ひどいです。」

鏡夜きょうや

「同感だ。」

穂崇ほだか

「許せませんね。」

瑞希みき

「でも、祐希は私の妹だから。仲良くしたいの。どんなに、裏切られても…本心を話してくれなくてもね。」


困ったように笑っていた。

その瑞希の態度に3人は瑞希に一生ついて行こうと決めていた。


3人

【このお方をお守りしたい】


祐希は…

祐希の自室


祐希ゆき

「久しぶりね。5人ともすごく強くなったみたいね。嬉しく思うわ。」

静稀しずき

「あぁ、久しぶりだな。1年に1回ぐらいしか会わないからな。」

祐希ゆき

「言葉遣いも変わってないわ。お外では、ちゃんと直してちょうだいね。」

そら

「私たちは執事養成学校に通いながらの勤務きんむとなります。僕と静稀は高等学校1年、中等部3年にぜん、中等部2年に音羽おとは、中等部1年に楓雅ふうがが通学となります。」

祐希ゆき

「別に構わないわ。みんなしっかり学んできてくれると嬉しいわ。」

静稀しずき

「週3回だけ通学すればいいからな。」

祐希ゆき

「あら、そうなのね。予定表を見せてちょうだい。」

そら

「読み上げましょうか?」

祐希ゆき

「いえ、結構よ。書面でいいわ。」


楓雅が、祐希に紙を渡した。

↓手紙の内容

“通学”

月曜日:静稀・音羽・楓雅

火曜日:天・禅・音羽・楓雅

水曜日:静稀・音羽・楓雅

木曜日:天・禅・音羽・楓雅

金曜日:静稀・天・楓雅

“勤務”

月曜日:天・禅

火曜日:静稀

水曜日:天・禅

木曜日:静稀

金曜日:禅・音羽

土曜日:静稀・音羽・楓雅

日曜日:天・禅

“休み”

土曜日:天・禅

日曜日:静稀・音羽・楓雅

と書かれていた。


祐希ゆき

「あら、週1でお休みでいいの?いなくてもいいのよ?」

ぜん

「それは、認められへん。お嬢を1人にはできひん。それに、うちらはお嬢の手下やから。」

祐希ゆき

「あら、ではこれは私からの条件よ。1、お姉様を悲しませたら殺す。2、財前白夜を監視し続けること。3、私の命令を無視したら殺す。4、勝手に死ぬことは許さない。5、裏切りは死を持ってつぐなう。6、私利私欲しりしよくで動かない。7、自分で考え行動する。8、私の足となり手となる。9、私に必要ないと思わせないこと。10、どれか一つでも破ったら殺す。以上。」

5人

「承知いたしました。」


しばらくし、婚約者同士の顔合わせが開かれることになった。

その日の朝7時


美優みゆ

「あら、おはよう。早く、朝食を食べましょう。今日は、13時から顔合わせよ。衣装のことだけれど、執事ちゃんたちに頼んでおいたから着替えるのよ。」

瑞希みき

「はい。わかりました。」

祐希ゆき

「衣装はお母様が選ばれたのですか?」

美優みゆ

「いえ、私じゃないわ。執事ちゃんたちに選ばせたわよ。私より執事ちゃんたちの方があなたたちの好み、知ってるでしょ?適材適所てきざいてきしょよ。」

瑞希みき

「そうだったのですね!楽しみです!」

祐希ゆき

「静稀…何も言ってませんでしたわ。後で、聞きますわ。」

リュカ

「あはは。祐希、ほどほどにね。」


朝食後、部屋でそれぞれ準備をしていた。

瑞希の部屋


瑞希みき

穂崇ほだか、衣装を見せて欲しいの。」

穂崇ほだか

「はい。こちらでございます。」


穂崇が持って来たのはとても可愛らしい着物であった。

赤地あかじ牡丹ぼたん柄の着物だった。

瑞希に似合うとても華やかな着物であった。


瑞希みき

「とっても綺麗きれい!3人で選んでくれたのでしょう?嬉しいわ!」

紅蘭こうらん

「そう言っていただけて嬉しいです。」

穂崇ほだか

「では、準備を始めましょう。12時には家を出なくてはなりません。後、4時間ほどしかありませんから。すぐに、準備を始めましょう。紅蘭、着付けを頼みますね。」

紅蘭こうらん

「はい。まずは、お風呂に入りましょう。」

瑞希みき

「えぇ、よろしくね。」


祐希の部屋


祐希ゆき

「衣装は何?自分で選びたかったわ。そっちには話しいってたのでしょ?何、黙ってんのよ。」


祐希はニコニコ笑っていたものの口調はとても強く怒っているように聞こえた。


祐希ゆき

「さっさと、しゃべりなさい。」

静稀しずき

「祐希様…」

祐希ゆき

「あら、祐希様だなんて気持ち悪いわ。」

静稀しずき

「祐希、怒るなよ。奥様にだまって準備して欲しいって言われたんだよ。」

祐希ゆき

「お母様だったのね。で?衣装は?料亭りょうていなのでしょ?」

楓雅ふうが

「うん。このワンピース。」

祐希ゆき

「あら、ワンピースなのね。」


祐希に用意されていたのは、ダークネイビーのワンピースであった。

五分袖で上半身はレースの刺繍ししゅうくされており、下半身は無地の膝下までのフレアスカートであった。


祐希ゆき

「綺麗なものを用意したのね。お姉様の服装は知ってる?」

静稀しずき

「あぁ、その情報は仕入れてある。正確には、禅がつかんだ。」

祐希ゆき

勿体もったいぶらないで、さっさと喋りなさい。」

静稀しずき

「わかった!わかった!怒るなよ!あぁ、めんどくせぇな、着物だそうだ。まぁ、服装を見たら真逆になるだろうな。」

祐希ゆき

「あら、そう。ならよかったわ。さっさと、準備しましょう。」

音羽おとは

「じゃぁ〜、さっそくぅお風呂入りましょぉ〜!」

祐希ゆき

「わかったわ。」


そして、12時前となり車に乗り込み移動した。


美優みゆ

「あら、瑞希は着物で祐希はワンピースなのね。」

瑞希みき

「はい。3人が選んでくれたのです。」

祐希ゆき

「自分で選びたかったですわ。お母様が私に黙っているように言ったそうですわね。」

美優みゆ

「えぇ、そうよ。ごめんなさいね。少しは、サプライズも必要でしょ?」

祐希ゆき

「そうですね。」

リュカ

「あぁ、そうそう。打ち合わせしたわけじゃないけど、白夜びゃくやくんは和装で尊くんはスーツで来るそうだよ。」

瑞希みき

「そうですか。」

【どうして、、、見せつけるような!!!!どうせ、祐希は自分で情報でもつかんだのかも。昔から祐希は、先取りしてたしみょうに知ってることも多いし…】

祐希ゆき

「あら、それはとても興味がありますわ。会ってから、聞くことにしますわ。」


12時50分 料亭に到着し、個室で財前白夜と碓氷尊の到着を待つことになった。


続く

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双子として生まれ、後継者として育てられましたが…愛する姉のために裏社会を掌握して見せます! 曇珠櫻 妃麗 @yuri202011152236

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